城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。
【続き】
親は子供の将来のために、良い成績を取ってほしいと願います。そのために塾にも通わせます。これは当然理解できることです。
ただ、日本人は他者への愛情表現が控えめなので、日本の子どもの多くが「親の自分への愛情を信じられない」状態を生んでいます。これは、塾の
現場でも強く感じますし、一般には親が思っている愛情の半分も子供に伝わっていないと言われています。
自分の子どもは、親(これを読まれている保護者の方)に「非常に愛されている」と感じているという自信がありますか?子供が、自分は「愛されている」と感じると、自分は
愛される「価値」がある存在なんだと「自己肯定」が上がります。多くの方がご存じなように、諸外国と比べ日本の若者は「自己肯定感」が低い特徴があります。
「愛されている」と感じている子どもは、その愛してくれている親に叱られても、その言葉を聞こうとします。ですから、特に「思春期」においては、まず子供が親に愛されているという実感を与えることが重要です。
映画にもなった「ビリギャル」の著書で有名な塾講師の坪田信貴氏は、人の評価の仕方には3種類あると語っています。
1つはdoing(~すること)、もう一つはhaving(持っているもの、地位)、最後に
being(存在)
多くの場合、doingやhavingでほめる。「勉強がんばったな、偉いな」「学級委員に
なったね、えらいなあ」とか。でもこれは「勉強がんばらなかったら偉くない」「学級委員でなくなったら偉くない」と言っていることと同じなんです。
これに対して、あなたが何をしていようが、どんな状態だろうが、私はあなたを
愛していますというのがbeing(存在)で愛しているということなんです。
(ここまで坪田先生)
数年前、子どもの成績に不満はないけれど自分(お母さま)が子どもに干渉しすぎて
親子関係がうまくいっていないという中3の保護者から相談を受けました。
その時衣笠は
小さなメモ用紙に、「○○(お子様の名前)さん、生まれてきてくれてありがとう」 と書いて、何も言わないで、毎日1枚お子さんの勉強机の上においてください。受験まで2か月なら、だいたい60枚になります。それだけで良いので、これを卒業まで毎日続けてくださいとアドバイスしました。
実際にそれを実行されたお母様からは、「子どもが変わる前に自分自身が子どもが生まれた頃の(新鮮な)気持ちを思い出しました」とご自身の変化を報告してくださいました。
その生徒は、高校も無事合格して、塾の卒業の際には「(自分の望む)大学の受験を考えて、高校生活を始めると子ども(息子さん)が言っている」という嬉しいご報告をいただきました。
衣笠自身のことを書くと、これには自信があります。子どもと会うたびに、毎日、手を変え品を変え「生まれてきてくれてありがとう」と表現して、言い続けてきました。
長女が成人したときに、「あなたは、今まで父からほめられた回数が多かった?叱られた回数が多かった?どっち?」と聞いたことがあります。長女は、しばらく沈黙して真剣に考えて、ちょっとこちらを探るような感じで「ほめられたことが多かった」と答えました。
このように書くとよく誤解されるのですが「子どもを叱ってはいけない」ということではありません。
わが家には、いくつかルールがあって、その一つが「学校の授業を真面目に聞かないなら、学校に行ってはいけない」というのがあります。「学校の先生は、一生懸命授業をしてくれているのに、いい加減な態度で受けるなら学校に行く権利はない。家に居て、おじいちゃんおばあちゃんのお世話をしなさい」これがわが家の掟でした。
長女が小学5年の時
学校に行くのを愚図った時に、衣笠が学校に行って、担任の先生にお願いして長女をしばらく休ませると嫁に言うと、嫁はPTAに参加できなくなると絶叫して反対しました。
結局、衣笠が学校に行くこともなく長女も元気になって事なきを得ました。
この文章を書きながら思い出しました
衣笠が前職の時代、長女の幼稚園の「運動会」と在籍する会社の島根県への「社員旅行」の日が重なってしまいました。「運動会」はわが家の聖域で、何があっても参加したいと考えていました。
実はその時、前職でも部下(この言葉は好きではありませんが)が20人以上いる管理職でした。30年近く前に会社の管理職が自分の家の子どもの運動会のために会社行事を休むということには今ほど理解が得られない時代でした。
さて結局衣笠は、運動会と社員旅行のどちらを取ったでしょうか?
運動会でしょうか?
社員旅行でしょうか?
その答えは、
長女の運動会と島根県への社員旅行の「両方取った」です。
午前中は長女の運動会に参加して、そのすべての行事が終わってから
一人JRで(もちろん運賃は自腹で)島根県まで行きました。1泊二日の旅行の
1日目は何も観光できませんでしたし、宴会にも参加できませんでしたが、
遅れてでも社員旅行に参加した衣笠に(社員の人は)納得してくれたような気がしました。
その後、(寝るだけでしたが)同じホテルで宿泊し、2日目はみんなと一緒に
社員旅行を楽しみました。(この話は、まったくの余談ですね(笑))
結局、長男も長女も「運動会は」小学6年生までは全部親子で参加しました。
話を元に戻すと、本当はしないでもいい(親の)中学校の勉強への取り組みは、当然自分のためにやってくれていると子供は感じます。子どもは、それに感謝もしますし、自分もしっかりしないといけないとも感じます。また、親がひたむきに真剣に(やらないでもよい)中学生の勉強に取り組む姿に感動して尊敬するかもしれません。親御さんが、どれくらい(勉強が)できるようになるかは
問題ではなく、自分と同じ土俵に降りて努力してくれる親に感謝することは間違いありません。 その結果、自分も勉強しないといけないと強く思うようになります。
また思い出した実話です。
25年以上前のことですが、県西部の教室で教えていた時にA君がいました。
当時中1だったA君は、300人中50番くらいの成績でした。その中1の時、A君の
お父様が亡くなってしまいました。お母様は当然、しばらくの間はひどく落ち込んで
まったく元気をなくしていたそうです。そして、家族も元住んでいたマンションから
小さなアパートに引っ越したとのことでした。
そこでA君は考えました。「自分は何をしたら、長男として母を喜ばしてあげられるだろうか?」
悩んだ末に、A君は自分が一生懸命勉強して成績が上がったら母が喜んでくれると考えました。そして物凄く勉強したそうです。
その結果、A君の成績は次の構内テストで学年50番から2番に上がりました。
まわりは大変不思議がったそうです。しかしこれで勢いが出たA君は、1浪の末
見事、京都大学に合格しました。実話にしては、出来すぎている話ですが、全て本当です。
昔から、これらのことで有名なことわざがあります。
多くの方はご存じだと思いますが、この機会に改めてその意味するところを考えてみてください。
必ず何かを学ぶことができると思います。
【有名なことわざ】
「 子どもは、
親の言うことはしないが、
親のすることはする 」
長文最後までお付き合いありがとうございました
何かの参考になれば幸いです。
ご自身の考えに合わない場合は、【思いっきり】削除してください(笑)
令和2年10月16日
碩学ゼミナール 衣笠
碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、
香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。