2020/10/17 (土) - ブログ

第1回基礎学「数学」問題分析 川真田

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。

2020年9月30日実施
第1回:基礎学分析
【中3:数学】
数学責任者 川真田渉

今年の第1回数学は、コロナ禍の影響で出題範囲も減り、例年の問題と傾向が変わっています。単純な難問というより、数学的思考力を必要とする問題が出題されるようになってきました。これまでのように、過去問を勉強するだけでは高得点は狙いにくい問題にシフトしてきているように感じます。

このようなことから考えると、例年の基礎学第1回の数学の問題と比べると、平均点は低くない割に90点以上が取りにくい問題だと考えてよいでしょう。各大問の最後の問題以外は例年並みで、従来の勉強でもそこまでは正解できるものの、最後の問題が正解できない、よって80点くらいまではとれても90点以上がとりにくい問題です。今後このような問題傾向が続くとすれば、基本的な問題、標準的な問題をできるようにしておくことはもちろんですが、普段問題を解くときから、単純に問題を解くだけでなく何故そうなるのか、そこがそうなるからここがこうなるといったことを深く考え、論理力を養うような勉強法も95点以上を狙う人には必要になってくるでしょう。

個々に問題を分析していきます。

大問1は小問集合でした。
今回の小問集合は特に目新しい問題はなく、難問もありませんでした。しかし、(11)の等積変形の問題などは練習をしておかないと意外にできないかもしれません。こういう基本的な問題の小問集合では満点を取れるよう、事前の準備は必要です。

大問2は、連立方程式の利用の問題でした。
魔方陣に関する問題は問題集などでも時々ありますので、問題の意味がわからないということはなかったとは思いますが、(3)のア、ウ、エのどれかをx、yとして連立方程式を作る問題は、同じ行(列)にx、yがないと連立方程式が作れないので、アは使えないことに気がつかないと苦労したかもしれません。

大問3は、一次関数の利用(動点)の問題でした。
基本的には普通の動点の問題ですが、中点MからPがスタートするので、PがMB間にあるときとCD間にあるときの式を考え違いした人が多かったのではないでしょうか?動点の問題は、面倒でも各変域ごとの図をキチンと書き、図形の辺の長さを冷静に考えることが大切です。

大問4は図形の問題でした。
(1)の証明は仮定と共通な辺で合同条件が揃うので、多くの人ができたのではないかと思います。しかし、(2)は線分ABの長さ20cmしか与えられていないのに、線分ADと線分BFの和をどうやって求めたらいいんだろう?と悩んだ人もいるかもしれません。
この問題のポイントは△AEDと△EBFが直角二等辺三角形になることに気がつくかどうかです。それに気がつけば、AD+BF=AE+EB=AB=20cmがわかったはずです。こういう問題は、求める線分と等しい線分を見つけ、置き換えていくと求められることが多いです。
また、高校受験の問題の図は角の大きさや線分の比率は正確に書かれていることがほとんどなので、形から何の図形になるか推測し、それが間違いでないか確認して考えていくのも1つの手です。

大問5は、今までと傾向がちがう数学的思考力を問う問題でした。
どちらかといえば、高校入試の数学というより中学受検の算数のテイストがある問題だと感じました。
(1)は普通の場合の数の問題なので、できた人も多かったでしょう。
問題は(2)で、この問題は問題文の書かれている勝敗の結果から、全試合全チームの勝ち負けを推測し、勝ち点を考えていく問題でした。特に?は問題文からだけでは、B、C、Dチームの勝敗が確定できないので、自分でB、C、Dの対戦結果を考えないといけません。「どのチームも最低1勝している」こと、「同じ勝ち点のチームがない」ことから、Dが?勝2敗、B、Cのそれぞれどちらかが2勝1敗1分け、1勝2敗1分けになるので、3位はCチームと確定でき、答えの勝ち点6点が求められます。

このように普通の問題集には出てこないような問題が出題され、80点くらいまではとれても、90点以上がとりにくい問題にかわってきつつあるように思います。
しかし、今回の問題は大問1の小問集合は平易な問題でしたし、各大問の最後の問題以外は、十分取れる問題です。もし今回80点取れなかったなら、自分の学習方法を見直し、繰り返し繰り返し勉強して、自分の力になるまで粘り強く取り組むことが必要です。

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、
香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。