2025/01/02 (木) - ブログ

読書と学力と年収の相関関係の調査!(ちょっと不確かですが‥)

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
 受験專門塾
  碩学ゼミナールの衣笠です。

 

あけましておめでとうございます

現在は1月2日(木)午後11時10分です

本日は、昼は長男、長女の家族と一緒に5名+赤ん坊1名(生後5か月)で新年の会食を楽しみました。

その後、近所の神社に初もうでのお参りをしてから夕方教室に来ました。

英語、社会の教材準備などやるべきことはたくさんあるにもかかわらず、ブログを書き始めたら、またハマってしまって気がついたら5時間近くたっていました(笑)

本日のテーマは、私(衣笠)が最も大切にしている「読書」について。

まずは、いつもとは切り口を変えて、読書が学力・年収に与える(と思われる)調査データを探しましたので紹介します。

読解力・言語教育に関する澤崎宏一教授の研究

澤崎宏一氏は、日本の言語学者で読解力や言語教育に関する研究を専門とし、1965年2月生まれで都留文科大学文学部を卒業後、ポートランド州立大学で修士号(TESOL)を取得し、オハイオ州立大学で博士号(Ph.D.)を取得した後に静岡県立大学国際関係学部で教授を務め、2015年から2017年にかけて全国の複数の大学から1,000名の学生を対象に読書習慣と読解力の関係に関する研究を行い、その成果が教育界に広く影響を与えました。

澤崎氏の研究では以下のような結果が具体的な数字をもとに示されました。

  1. 総読書量と文章理解力の関係

幼少期から現在までの総読書量が多い(例:1万冊以上)グループの大学生の平均読解力スコアは90点(100点満点)である一方、総読書量が少ない(例:100冊未満)グループのスコアは60点で、総読書量が文章理解力に与える影響が非常に大きいことが示されました。

  1. 小中学校時代の読書量の影響

小中学校時代に毎月5冊以上読んでいた学生の単文読解力スコアは85点で、毎月1冊未満しか読まなかった学生のスコア65点と比べて大きな差があり、高校や大学時代の読書量ではこの差を埋められないことも確認されました(例:高校以降に毎月10冊以上読んでも最大スコアは70点にとどまった)。

  1. 単文読解力の具体的な影響

調査で実施された短文の解釈テストにおいて、小中学校時代に読書量が多いグループの90%以上が正確な解釈を行えた一方で、読書量が少ないグループでは正確に解釈できた学生が50%以下でした。

  1. 仮説と教育現場への提案

この研究は、教育現場で小中学校のカリキュラムに月5冊以上の読書時間を確保することや、家庭で親子の読書習慣を促す活動を提案しており、読書経験が大学生時点の読解力に最大30点以上の差を生むことや、短文読解力の正答率で40%以上の優位性をもたらすことを示しました。

これらの結果は、幼少期から豊富な読書経験を積むことがいかに重要であるかを明確に示しています。

 

その他にも

  1. 読書量と学力の相関関係

いくつかの研究が、読書量が多い生徒ほど学力テストで高得点を取る傾向があることを示しています。

具体的な研究データ

  1. 国立教育政策研究所(日本)の調査:
    • 読書量が多い中学生は、国語・英語の学力テストで得点が高い傾向があります。
    • 1日30分以上の読書をする生徒:
      • 国語で平均スコアが15点高い。
      • 英語で平均スコアが20点高い。
  2. OECDのPISA調査(読解力):
    • 15歳児を対象とした国際的な学力調査では、読書習慣がある生徒は読解力で高得点を取る傾向があると報告されています。
    • 読書時間が週5時間以上の生徒は、週1時間未満の生徒に比べて平均スコアが35点高かった。
  1. 読書が学力に及ぼす主な効果

(1) 語彙力の向上

  • 読書量が増えると、新しい単語や熟語を自然に学ぶことができます。これは国語や英語の試験で特に有利に働きます。
  • 語彙力が高いほど、文章の理解や記述力が向上し、幅広い問題に対応しやすくなります。

(2) 読解力の向上

  • 読書を通じて、文章構成や論理展開に慣れることができます。
  • 入試では長文問題が出題されることが多いため、読解力は大きなアドバンテージになります。

(3) 批判的思考力の養成

  • 読書ではさまざまな意見や視点に触れるため、物事を多角的に考える力が養われます。
  • 小論文や面接試験で論理的に考えを述べる際に有利です。

(4) 学習習慣の形成

  • 毎日の読書習慣は、自己管理能力や集中力を高め、勉強への取り組みにも良い影響を与えます。
  • 小学校1年生から高校3年生までの読書時間の推移:
    • 2015: 平均読書時間 18.2分
    • 2022: 平均読書時間 15.2分
  • 読書時間と学力の自己評価:
    • 1日1時間以上読む生徒:
      • 学力自己評価が高い割合: 80%
    • 読書しない生徒:
      • 学力自己評価が高い割合: 50%

この調査から、読書時間が長い生徒ほど学力に対する自己評価が高いことがわかります。

 

読書量と学力の関係について、さらに詳しい研究やデータをご紹介いたします。

  1. 文部科学省の調査研究

文部科学省が実施した「読書活動と学力・学習状況調査の関係に関する調査研究」では、児童・生徒の読書活動と学力の関連性が分析されています。

  • 小学生の読書頻度と国語の学力:
    • 毎日読書する:
      • 平均正答率: 75%
    • 週に1~2回読む:
      • 平均正答率: 70%
    • ほとんど読まない:
      • 平均正答率: 65%
  • 中学生の読書頻度と国語の学力:
    • 毎日読書する:
      • 平均正答率: 70%
    • 週に1~2回読む:
      • 平均正答率: 65%
    • ほとんど読まない:
      • 平均正答率: 60%

これらの結果から、読書頻度が高い生徒ほど国語の学力が高い傾向が示されています。

最後に多少の不確実さはあるものの「読書と年収」の相関関係を探求した調査報告も公表されていますので紹介します。

思春期の読書習慣は、生涯年収にプラスの影響を与える可能性が高いと考えられます。ただし、その影響は間接的なものであり、他の要因と組み合わさることで現れることを理解することが重要です。

 

  1. マイナビの調査(2021年):
    • 月に3冊以上の本を読む人の割合:
      • 年収1,500万円以上: 30.8%
      • 年収300~500万円未満: 13.7%
    • 月に本を全く読まない人の割合:
      • 年収1,500万円以上: 20.5%
      • 年収300~500万円未満: 40.1%
    • この調査でも、年収が高い人ほど読書量が多い傾向が確認されています。

 

  1. 総務省の家計調査:
    • 年間書籍代:
      • 年収923万円以上の世帯: 約15,000
      • 年収455万円以下の世帯: 約5,000
    • 高収入世帯ほど書籍購入に多くの費用を費やしていることがわかります。
  1. アメリカの調査(PEW RESEARCH CENTER:
    • 年収と読書習慣の関係:
      • 年収75,000ドル以上(約800万円以上)の層: の【86%】が読書習慣あり
      • 年収30,000ドル未満(約320万円未満)の層: 【62%】が読書習慣あり
    • 高収入層ほど読書習慣があることが示されています。

 

     この項続きます

 

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴

城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。

毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。

元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親

セミナーも手がける。