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碩学ゼミナールの衣笠です。
数学の責任者・川真田講師が第1回基礎学力テスト「数学」の分析を書いたので
紹介します。衣笠
2025年10月1日実施
第1回:基礎学分析
【中3:数学】
数学責任者・ 川真田渉
今年の基礎学第1回の数学は、ここ10年の中でもベスト3に入る難易度で、90点以上取れた人はかなり少なかったのではないでしょうか?
特に大問2の確率の問題で時間を取られ、大問5の図形の問題が難しかったので、時間が足りず得点が伸びなかった人もいたのでは?と思います。
個々に問題を分析していきます。
大問1は小問集合の問題でした。例年より若干難しめに感じました。
問2の文字式の計算は、文字が約分できずすべて累乗で残るというのは、今までなかったパターンかと思います。
また問4の√60<aとなる自然数aを求める問題も意外にできなかった人もいるかと思います。
問10の箱ひげ図も教科書に入って久しいですが、小問にも普通に出題されるようになってきました。
箱ひげ図の意味をきちんと理解しておかないとこういうところで取りこぼすと、高得点は狙えないので注意が必要です。
問11の作図は定番のものですが、円の中心は円周上の2点を結ぶ線分の垂直二等分線上にあることを理解しておかないといけません。作図は書き方を覚えるだけでなく、なぜそう書くかを理解しておきましょう。
問12は中3の三平方の定理のところでよく出てくる2点間の最短距離の図です。底面の円周が側面のおうぎ形の弧にくっついていたことがわかれば、AとBが同じ点であることはわかったと思います。
大問2は確率の問題でした。
Aの3枚をA1、A2、A3、Bの2枚をB1、B2と区別して樹形図を考えることがポイントになります。
問2の樹形図を書くのに苦労した人も少なくないと思います。
高校で習う組み合わせの公式を使うとラクに答えを導くことができるのですが、中学生なので樹形図で解くのが基本になるので、普段から正しい樹形図の書き方に慣れておく必要があるでしょう。
問3も樹形図を書き、どれがそれぞれアとイに当てはまるかを正確に書かないといけません。
いずれにしても樹形図を早く正確に書けるようにトレーニングをしておきましょう。
大問3は1次関数の問題でした。例年になく易しい問題でした。
問1から問3はできて当然の問題です。
問4も高さ2と4で底面の半径が4の円すいをくっつけた形であることがわかれば、できる問題です。
今回は簡単な問題でしたが、第2回は2次関数まで入ってくるので、関数の問題は難問が出ることも考えられます。
気を抜かず、関数の問題を鍛えておきましょう。
大問4は連立方程式の利用の問題でした。2つの式が両方とも比例式になるという珍しい問題でした。
問1、2はきちんと比例式が書ければそう難しい問題ではなかったかと思います。
問3はグループ数をa組とし、2日目のA中、B中の生徒数の比が5:4であることから、A中の2日目の生徒数が5a=120またはB中の2日目の生徒数が4a=96と表せることからグループ数が24組と求められます。
この表し方は新中問発展の中1の方程式の利用に出てきますが、この表し方を知らなければ難しかったと思います。
大問5は図形の問題でした。ここで大きく点を落とした人が多かったのではないかと思います。またここまでで時間がかかって十分考える時間が足りなかった人もいるでしょう。
問1の証明は直角でない方の角が等しいことをいうのが難しかったと思います。
解答のやり方以外でもできますが、いずれにしろ三角形の内角の和が180度であることを使わないといえないと思います。それがひらめくかどうかは、たくさんの証明問題を解いて、いろいろな書き方を知っておくことが大切です。
問2は△BEFと△ECGが相似になるので、相似を使えば1のBFは簡単に求められ、2の△BEFの面積も同様に高さのEFがすぐわかるので、すごく簡単な問題なのですが、まだ相似は習っていないので別のやり方でやらないといけません
(◎【裏技として】は、【小学校】で【拡大図、縮図】は習っているので、【相似と同じ考え方で出せる】)。
そこで、△ABEの面積をBEを底辺として求め150cm2を出し、AEを底辺と考え1/2×25×BFとしてこの2つをイコールとして解けば、BFが求められます。
このように面積を2通りの表し方をしてイコールと置き求めるのは入試問題ではよくありますが、現段階ではこれを思いつくのは難しいと思います。
2は1でBF:FG=12:13とわかるので、△BEFの面積は△BEGの面積の12/25とわかります。よってEとGえを結び、△ECGの面積を求めると75/2となり、これを△BCGから引くと、225/2になるので、12/25をこれにかければ△BEFが求まります。
このように基礎学第1回、第2回の図形は相似が使えないからこそ難問になるということも多々あるので、先取り学習している人の方が有利になる面はあります。
今回の基礎学は、他教科が比較的点が取りやすかっただけに、数学で点が取れずに全体として、点が伸びきらなかった人もいるかと思います。
ただ、元々徳島は入試も含めて数学の問題が難しめの傾向があるので、今後も数学は難しい可能性はあります。演習量を増やして、トレーニングを十分しておくことこそ必勝法になるので、頑張りましょう。
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碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校を経て、立命館大学経済学部を卒業。
大学卒業後は「保険毎日新聞」に記者として入社し、報道の現場で社会の現実を見つめる日々を送る。
その後、地元に戻り、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長を歴任。香川県下7校舎の統括責任者として、多くの生徒の進路指導に携わってきた。
現在も毎朝、水を2杯飲み、5分間の瞑想と8分間の感謝日記、
軽い筋トレで心と身体を整えることが日課となっている。
科学・医学・教育に関する専門書を好んで読み、授業計画では思春期心理学や実証的な教育実践の論文を積極的に取り入れている。
どれだけ経験を重ねても、学びを止めた瞬間に傲慢が生まれる。
それが生徒の信頼を失うことにつながると、常に自戒している。
また、「どれほど立派な授業をしても、生徒が本当に成長しなければ価値がない」との考えをもつ。
だからこそ、入塾した生徒一人ひとりに真摯に向き合い、
保護者のご期待にも、誠実に応え続けることを自身の使命としている。
座右の銘は、「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」。
趣味は読書と野球観戦。家族とともに、辛口カレーライスをこよなく愛す。
元認定教育コーチ、青少年育成協会元研究員。母親向けの子育てセミナーの講師も手がける。