城東高校・徳島北高校
城南高校・徳島市立高校
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。
理科責任者の川真田講師が、第2回基礎学力テスト「理科」の分析を書いたので紹介します。
2025年11月12日実施
第2回:基礎学分析
【中3:理科】
理科責任者 川真田渉
今年の第2回は、第1回に比べて、塾内平均点が低下しました。
各学校の平均点も軒並み下がっているという話を聞きました。第1回に比べ問題難易度が若干アップしていること、問題数が多めであったことなどが大きな原因ではないかと思われます。
問題数が多かったので、時間が足りなかった生徒も多かったのでは?と推測できます。
詳しくみてみると、問題数が全42問で、うち記述問題6問、作図問題2問で複数選択問題は少なかったです。
しかし両方合って丸等の完答問題が16問あり、実質60 問の問題数でした。基礎学理科の総問題数は、40問程度が多いことから考えると、やはり多いです。
また完答問題が多いということは、トータルでの正確な知識や考え方を問われるということになります。
あいまいな知識では点が取れない問題だったといえると思います。
個々に問題を分析していきます。
大問1は植物の呼吸、光合成についての問題でした。
一般的な呼吸、光合成の問題と違い、データを読み取って考える問題だったので、戸惑った人もいるかもしれません。
しかし、よくデータをみて考えると、それほど難しくない問題であったと思います。問題形式に惑わされず、自分のもっている知識と照らし合わせて考えることが大切です。
大問2は音に関する問題でした。
海底で反射してきた音から、音の速さや距離を考える問題はよくありますが、空気中を伝わる音の速さとの複合で考える問題は目新しいですが、問題としてはその部分に引っかからなければ、十分できる問題だと思います。
大問3は火山に関する問題でした。
問1は火山の位置選ぶ問題でしたが、地理が得意な人にとってはなんてことはない問題かと思いますが、意外に火山の位置(都道府県)まできちんと覚えている人は多くないかもしれません。
そういう意味で失点した人もいたかもしれません。問2の2の昭和新山の形を答える問題は、ゴロ合わせで覚えていれば答えられる問題ですが、「?新山」という名がつく火山は、マグマのねばりけが強く、爆発的な噴火をするため、元の火山の一部が吹き飛んで新しく山ができたものということも知っておくとよいでしょう。
問4の日本に火山が多い理由を書く問題が難しかったかもしれません。教科書にはきちんと載っていますので、チェックしておきましょう。
大問4は塩酸と水酸化ナトリウム水溶液、硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和に関する問題でした。
中和については、ここ数年硫酸と水酸化バリウム水溶液についての出題がほとんどなかったので、油断していた人もいたのではないでしょうか?塩酸と水酸化ナトリウム水溶液、硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和の違いを比較して覚えておくことは大事ですので、できなかった人は要チェックです。
大問5は水の電気分解に関する問題でした。
全体的には基本問題ですが、問3の気体の性質を選ぶ問題は、気体についての問題以外でも、こういう形で試されることが多いです。確実に暗記しておきましょう。
大問6は台風に関する問題でした。
今まで数多くの天気の変化の問題が出題されてきましたが、台風に特化した問題は初めてではないかと思います。
ただ、第1回で一部台風についての出題があったので、それで気をつけて台風についての見直しをした人は得したかもしれません。問題レベル的ににはそう難しくはありません。また、問5の沖縄県の家屋の屋根が低い理由を答える問題ははっきり言って社会科の問題です。今後、教科をまたいだ問題が出題されるようになるかもしれません。
大問7は細胞分裂についての問題でした。
問2、問3が記述問題でしたが、過去の基礎学でも出題されている問題です。過去問を解いて、理由をきちんと覚えていた人はできたはずです。
記述問題は、これらの問題のように、定番でいつも同じことをきかれる記述問題も少なくありません。そういう問題は、記述とはいえ暗記で対処できるので、正確に書けるよう覚えるのが大切です。あと問5の1の精細胞の染色体数を答える問題は、生殖細胞なので体細胞の半分であることを間違いやすいので注意しましょう。
大問8は浮力に関する問題でした。
浮力は比較的最近学習した内容であり、計算問題なので苦手としている人も多いでしょう。
しかも今回の問題は若干難しめであり、浮力が発生する理由をきちんと理解していないと間違いやすいので、ここで点を大きく落とした人もいたでしょう。
問2の問題のグラフが、物体がすべて水中に沈んだあとの部分が書かれておらず、9cm沈んだ時の浮力を間違った人もいるかもしれませんが、浮力は物体が押しのけた水の体積分の重力と同じだけはたらくことがわかっていれば答えることができる問題です。
問5の物体にはたらく浮力を作図する問題は、力がはたらいているにもかかわらず、物体が静止しているときは、はたらいている力がつり合っているという、2力のつり合いの原理をりかいしていれば、簡単な問題です。
今回は、問題数が多く、完答問題でできた!と思った問題で、3つのうち1つ間違ってしまい、失点したという人がすくなくなかったと思います。普段からあいまいな勉強をせず、完璧になるまでしっかり取り組む努力を忘れず、第3回に臨んでもらえたらと思います。
碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校を経て、立命館大学経済学部を卒業。
大学卒業後は「保険毎日新聞」に記者として入社し、報道の現場で社会の現実を見つめる日々を送る。
その後、地元に戻り、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長を歴任。香川県下7校舎の統括責任者として、多くの生徒の進路指導に携わってきた。
現在も毎朝、水を2杯飲み、5分間の瞑想と8分間の感謝日記、
軽い筋トレで心と身体を整えることが日課となっている。
科学・医学・教育に関する専門書を好んで読み、授業計画では思春期心理学や実証的な教育実践の論文を積極的に取り入れている。
どれだけ経験を重ねても、学びを止めた瞬間に傲慢が生まれる。
それが生徒の信頼を失うことにつながると、常に自戒している。
また、「どれほど立派な授業をしても、生徒が本当に成長しなければ価値がない」との考えをもつ。
だからこそ、入塾した生徒一人ひとりに真摯に向き合い、
保護者のご期待にも、誠実に応え続けることを自身の使命としている。
座右の銘は、「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」。
趣味は読書と野球観戦。家族とともに、辛口カレーライスをこよなく愛す。
元認定教育コーチ、青少年育成協会元研究員。母親向けの子育てセミナーの講師も手がける。