2022/01/24 (月) - ブログ

第3回基礎学「数学」問題分析!

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。

第3回基礎学力テストの「数学」の問題を
理科責任者 川真田が分析したので紹介します。

2022年1月12日実施

第3回:基礎学分析

【中3:数学】

数学責任者 川真田渉

 

第3回の数学は、例年二次関数や相似の難問が出題されることも多く、点が取りにくいことが多々あります。
今回も、二次方程式、二次関数の最後、相似の最後の問題が難しく、十分な準備ができていなかった人は、このあたりで点を落としたのでは?と思います。しかも、新教科書になって入ってきた、箱ひげ図、四分位数が大問で出題されていました。新しい内容の出題にどちらかといえば慎重な徳島県にしては珍しいと思います。

ただ、すべての問題が難しいわけではありません。こういうときにいかに大崩れをせず、最低限の失点にとどめられるか?は基礎的な問題を繰り返し解き、難問以外を確実に取れる力をつけるかどうかにかかっています。
碩学ゼミナールにも数学が苦手な生徒はいますが、そういった勉強方法で取り組んだ結果、大部分の生徒が60点前後以上の得点をとっています。

 

個々に問題を分析していきます。

大問1は小問集合の問題でした。
初歩的なことですが、(3)の「~を配ると」とか「~をわけると」の文字式をよく割り算で書こうとする人がいますが、かけ算で文字式を作ることを間違えないようにしましょう。
(6)のyの増加量を求める計算は、切片は必要なく、一次関数の比例する部分だけ使えばいいことを間違えやすいので気をつけましょう。
(11)の四捨五入した近似値の範囲を求める問題はよく出る問題なので、大きい方の側の値と不等号を間違えないように、なぜそうなるかをよく理解しておきましょう。

 

大問2は箱ひげ図と四分位数の問題でした。
全体的には、箱ひげ図と四分位数の意味やそれからわかることについて、練習ができていればできる問題だと思います。一般に統計に関する問題は、箱ひげ図と四分位数にしても、ヒストグラムにしても普段使わないような言葉が出てくるので、その意味をきちんと理解しておくこと、単に問題をこなすだけでなく、そういった図を見て何がわかるのか、よく考え分析する練習をしておきましょう。

 

大問3は二次方程式の動点に関する問題でした。
二次方程式や二次関数の動点の問題は、基本的に動点が2つになるので、一次関数のときより難しいことが多いです。ただこの問題については、長方形上の2点なので比較的考えやすい問題といえるでしょう。
(2)で、4≦x≦6のとき、この範囲に不適なxが出てくるので、忘れず解の検証をすることが必要です。この問題では、当てはまるのが3+√5のほうで、

3-√5ではないので、間違いにくいですが・・・(中学生は深く考えずに、-の方が不適とする生徒が多いです)。

 

大問4は、二次関数と図形の問題でした。
(1)、(2)は基本なのでできないといけない問題です。
(3)については、まず等積変形を使うということに気づかないといけません。変則的な形の四角形と三角形の面積が同じになる場合、四角形と三角形の一部を共有し、その残りの部分の三角形の等積変形を考えるというのは、等積変形の問題のではよくあるパターンです。とはいえ、等積変形としては難易度は高いです。やはり等積変形の問題を多く解いて、その経験則がないとひらめかないと思います。この問題は、それがわかれば計算自体は簡単です。
気をつけてほしいのは、二次関数の問題は大問4であることが多く、大問4の最後の問題の難問で時間を使いすぎて、大問5の基本問題を解く時間がなかったという失敗が一番痛いです。普段の勉強でも、難問は後回しにして、できる問題を先に解くという時間を意識した練習をしておくことは大切です。

 

大問5は相似の問題でした。
(1)の証明は簡単です。できた人も多かったでしょう。
(2)の線分比の問題は、線分ACの比を二組の相似を使って、2通りの表し方をし、比を合わせることができればできる問題です。もちろん碩学ゼミナールでは、(3)の面積比の問題と合わせて、トレーニングしています。
(3)は与えられた条件からわかる相似比をフル活用して、△APRを基準として面積比を考えていきます。ただ、点Bと点R、Sをそれぞれ結んで補助線を引かなければ、考えにくいです。そういった発想も事前にトレーニングしておかないと浮かばないので、これが解けるためには第3回へ向けて、過去問から傾向を知り、事前に対策を打っておく必要はあります。

 

このように第3回は二次関数や相似が範囲に入ってくるだけに、たいていは第1回や第2回より難しくなる傾向があります。
入試はさらに円周角、三平方の定理が入ってきます。

徳島県の入試の数学は、全国的に見てもレベルが高い方に属し、数問は難問が含まれています。そういった難問はすべての人が解ける必要はありません。しかし、そういった難問も基本のやり方の引き出しを組み合わせて解くことが多いです。だから、いかに基本を完璧に解けるようにしていくことが数学で高得点を取れるようになる唯一の道です。

入試へ向けて、頑張っていきましょう。

 

以上です

 

城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。