失敗しないものの見方の3番目は、「多角的にみる」です。
今の日本では景気が悪いといっても、平和に日々が過ぎており、街で出会う人にも極端に困窮した人はいないようにも思われます。しかし、視点を変えて、世界的統計値を見ると様子が変わってきます。経済協力開発機構(OECD)の発表によると日本の相対的貧困率は14.9%で、加盟国28か国中メキシコ、トルコ、米国に次いで4番目に高い。また、北欧諸国に比べると子どもの貧困率は約3倍という高さになっています。視点を変えることで、日本は「豊か」という実態が急速に変化していることが読み取れます。
次に、話を個人の問題に向けてみると、大學を卒業したばかりの若者に何を手に入れれば(実現すれば)、「豊かな人生」になるか問うてみれば、やはり仕事での成功、出世、財産、お金、名誉など現実的な答えが多いのではないかと思います。しかし少し、視点を変えて質問してみると、その返答もかなり違ったものになったと紹介されていました。その質問とは
「あなたが死ぬとき、まわりの人に、あなたはどんな人だったと言われれば本望ですか(成仏できますか)」
ある人は、「本当に人のために生きた人だった人」と答え、ある人は「自分の志に正直でまっすぐな人だった」といわれたいと答えた等。圧倒的に、生き方内面について答えたという。このように、視点を変え人生を今終えようとする者の視点から考えるだけで、その目に見える風景は、ずいぶんと違ったものになることが想像できます。
たとえば、私たちの生徒(子供)に対する見方でも同じように思われます。
ある人が「優柔不断」とみる性格を、ある人は「慎重」と感じ、「せっかち」を「積極的」、 「頼りない」を
「ひかえめ」、「おしゃべりな」を「社交的な」、「強情な」を「意志が強い」、「単純な」を「素直な」、「鈍い」を「物事に動じない」、「けちな」を「ものを大切にする」 と感じます。同じ性格でも見方を変えるだけで、かなり印象が変わってきます
失敗続きで嫌になったとき、ちょっと見方をかえて次の言葉を思い出してください。
「成功する方法は、たった一つだ。成功するまで、失敗し続けること だ」 (ジョン・テンプルトン)
→「失敗は成功の素(もと)」。失敗しても落ち込むことはありません。一つ失敗したら、きっと一つ成功に近づいているに違いありません。
でも、それでも、元気になれない人には、有名人が座右の銘にしている、とっておきの次の言葉を贈ります。
「生きてるだけで丸儲け」(明石家さんま)
彼はこの自分の信条を、愛するただひとりの娘に送ります。
上の言葉の三字を取って名前にして。
彼の愛する娘の名は「い(生)・まる(丸)」→「いまる」。 (いきてるだけでまるもうけ)
人として生を受けたことに感謝して、いま生きていられることだけで感謝する。その謙虚な心構えがあればこそ、彼は長年、多くの人々の人気を得ているのだと、心から強く思いました。
失敗しないものの見方→多角的にみる
衣笠
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