城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。
第3回基礎学力テストの「理科」の問題を
数学・理科責任者 川真田が分析したので紹介します。
2022年1月12日実施
第3回:基礎学分析
【中3:理科】
数学・理科責任者 川真田渉
今回の第3回は、難易度でいうとそれほど難しくないものの、大問2のイオンの問題などは、電気泳動、中和、酸・アルカリの内容が総合的に出題されており、きちんと勉強できていない人は点を落としたかもしれません。大問3、4は対話文形式の問題で、基礎学では定番になりつつあります。一問一答等で基本を身につけておくのはもちろんですが、問題文をしっかり読んで、落ち着いて答えられるようにしていく必要があります。
個々に問題を分析していきます。
大問1は被子植物、裸子植物の問題でした。
基本的な問題です。点を稼ぐ問題なので、ここで点を落とした人はまず間違いなく、高得点を取れていないはずです。
みんなが取れる問題なので、ミスした人は早急にケアしておきましょう。
大問2は酸とアルカリを中心とした総合的な問題でした。
中和した水溶液を電気泳動するとどうなるか?というパターンの問題は珍しいと思います。塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が2:1で中性になることは書かれているので、それぞれの試験管内でどちらがどれだけ余っているかをまず考えることが大事です。また中和の問題は、中和が起こった容器内のイオン数の変化を、きちんと考えられるしておくことが大切です。あと小問(4)のZは塩酸の体積が水酸化ナトリウム水溶液の体積の2倍で中性になると言うことは、同体積では塩酸中の水素イオンの数は、水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化物イオンの半分なので、水酸化物イオンの数は水素イオンの2倍になるのは間違いやすいので要注意です。
大問3は気象観測の問題でした。
対話文形式の問題でしたが、基本問題ばかりです。図3の三つのカードがA、B、Cのどこに当たるかを答える問題は、●が湿度、○が気温のグラフであることが分かれば、カード内にいろいろ情報があるので、選ぶのはさほど苦労しないと思います。
大問4は遺伝に関する問題でした。
メンデルの遺伝は、中学レベルでは掛け合わせパターンは6通りしかありません。しかもそのうち2つはすべて顕性かすべて潜性になるので、出題する意味がないので、実質4通りです。そのどれになるかを考えられれば、この問題については比較的簡単な問題だと思います。
大問5は浮力に関する問題でした。
浮力の問題としては、標準的な問題だと思います。ただ、小問(3)のグラフを書く問題は、測定点でないところでグラフが曲がるパターンのグラフです。基礎学や入試では、この手のグラフはよく出ます。測定点でグラフが曲がるという先入観を持たないようにしましょう。小問(5)の浮力を求める問題は、物体Cは水に浮いている状態では、浮力と重力がつり合っているので、それに糸が物体Cを引く力を足したものが答えになります。
大問6は太陽系の惑星に関する問題でした。
第3回基礎学の範囲にわずかに入っている天体の問題ですが、数年前の第3回と似た感じの問題です。碩学ゼミナールでは、過去問を10年分させているので、きちんと過去問の勉強ができていれば易しかったと思います。とにかく天体の問題は範囲が狭いので、よく似た問題しか出せないという面があります。ということは点を取りやすい問題の一つですので、取りこぼしのないようにすることが必要です。
大問7は水の電気分解に関する問題でした。
これも標準的な問題で、点を取らないといけない問題です。最近は学校でも電気分解は簡易電気分解装置ですることが多くなっているので、テストの出題もほとんどが簡易電気分解装置になっています。H字管での電気分解はまず出題されることはないと思いますが、出ないという保証はありません。H字管は操作がわかりにくいですが、出されてもできるよう、一通りは勉強しておきましょう。特にピンチコックの操作についての出題が多いように思います。
大問8は音に関する問題でした。
去年の中2の基礎学で出題された音の問題もそうでしたが、最近音の問題の設定がわかりにくい問題が増えた気がします。問題の設定をきちんと読み取れる力が問われていると思います。そういう意味では少し難しかったかもしれません。
あと、最近思うのですが中学生の記述問題を見ると、主語が抜けていることが少なくありません。小問(3)でもピストルの音が跳ね返って聞こえてきたということを書ければよいのですが、この問題は登場人物がA、B、Cの3人います。なので、誰のところに跳ね返って聞こえてきたかを明確に書いていないと正解になりません。日本語の悪いところで、主語なしでも意味が分かってしまうので、つい書くのを忘れたり、自分の思い込みで書いてしまったりということが多いようです。記述問題は採点者への説明です。採点者がわかるように丁寧に書くことが重要です。
今回の問題も、比較的取りやすい問題だったと思います。徳島県の高校入試の理科は例年平均点が高い方なので、点を取りやすいですが、記述問題は書きにくい問題も多々あります。意外に記述問題のできでさがつく可能性もあるので、記述問題のトレーニングをするとともに、正解かどうか判断しかねる場合は、理科の先生にきちんと確認しておくことが大切です。頑張りましょう。
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。