2022/11/21 (月) - ブログ

中3・第2回基礎学「数学」分析!

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。

2022年11月16日実施
第2回:基礎学分析

【中3:数学】

数学責任者 川真田渉

 

今年の基礎学の数学は、第1回、第2回ともなかなかの難易度で、しっかり準備していった人でも意外に点が取れなかったという人も少なくなかったのではと思います。

ただ、第1回と第2回では、難易度の高い問題の傾向に違いがあり、第1回はどちらかといえば既存の問題にあるようなストレートな問題ですが、剛速球な問題、第2回は変化球的な問題ですが、単に変化するだけでなく高速で変化するような、例えるとそういうイメージです。
川真田の感想としては、過去10年間の第2回数学の中で、最高難易度ではないかと感じています。

個々に問題を分析していきます。

 

大問1は小問集合の問題でした。
問(7)の球の体積を求める問題は、この時期になっても球の表面積を含めて、公式をきちんと覚えていない人がいます。語呂合わせ等できちんと覚えておかなければいけません。また半径が√3というので戸惑ったかもしれませんが、公式にきちんと代入して計算できれば、特に問題はないと思います。

また問(8)のおうぎ形の周の長さを求める問題は、直線部分を入れるのを忘れないように注意しましょう。問(9)の長方形を折り返した図形の角の問題は、長方形なので向かい合う辺が平行なので、錯角、同位角が使えることはもちろん、折り返した後の角と折り返す前の角の大きさが同じになることを覚えておかなければいけません。

大問2は4枚のコインを使った確率の問題でした。
確率の問題としては標準的なテキストにも出ている問題ですが、問(1)は「4枚のうち、3枚が表のときのなかで、2番目に高い得点は何点か」→4枚が表の660点を含まない、問(3)は「得点が500点より高いなる?」→500点は入らない、ことに引っかかった人もいることと思います。読解力というか注意力を試される引っかけ問題で、川真田が今回の問題が変化球的と感じる部分でもあります。従来の基礎学の数学では、こういう形での問題はなかったように思います。

 

大問3は時計に関する方程式の問題でした。
この手の問題は、中学受験の難問で出てきます。碩学ゼミナールのSSクラス等で使用しているテキストにも載っているので、珍しい問題ではありませんが、載っているのは応用問題のページになります。そういう意味では難易度が高い問題で、中学受験をした、またはそのための勉強をした人が有利だったかもしれません。
ただ、会話文のところにかなりのヒントが書かれているので、そのリードに従って考えていけば、問(1)、(2)は解けたかもしれません。問(3)は問(2)の長針、短針の位置から問(3)の長針、短針の位置までどれだけ動いたかを図示できれば、答えにたどりつくことができると思います。

 

大問4は二次関数のグラフと図形の問題でした。

二次関数と正方形を絡める問題自体は珍しくありませんが、問(2)でPのx座標をtとして、PAの長さをtを使って表すのですが、この問題自体は特に問題ないのですが、Pはx座標がマイナスになる点なので、このままの設定で問3?のPのx座標を出す問題を解くと、tのx座標がおかしなことになります。普通、tを使って座標設定をするときはx座標がプラスになる点を使うのが一般的でわかりやすいので、問(3)を解く段階で、Cのx座標をtとして設定し直した方が間違わないと思います。

問(3)?は、結局△BPQが△BPCの2倍になればよいことに気がつくかどうかがまず第一のポイントです。その上で等積変形の応用的な考え方で、平行線の幅が2倍になる(高さが2倍になる)ような直線を考えていくと解けます。

 

実はこのパターンの問題、今年の第1回基礎学の一次関数の問題に出ていました。ちなみに、入試ではH22に面積が3倍になる問題が出ています。しかし、それ以来、入試にも基礎学にも出題されていません。そういう意味でいえば、入試問題レベルの問題がこの時期に、しかも2回連続で出たということは今までなかったことを付け加えておきます。

 

大問5は図形の問題でした。
問(1)、問(2)?は難易度は高くありません。問(2)?の△AEFの面積が、△EBDの面積の何倍かを求める問題は、
相似の学習をし、面積比を求める問題のトレーニングができている時期ならさほど難しい問題ではありませんが、この時期に出題されると若干難しかったかもしれません。

 

このように今年は数学が連続で難しかったです。第3回はその上に相似が範囲に含まれ、さらに難易度が上がる可能性があります。気を引き締めて学習し、第3回に臨みましょう。

 

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。