2022/06/25 (土) - ブログ

「読書感想文」コメント記入・奮闘記!

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。

中1・中2「国語講座」受講生の保護者の方に
以下のメールをお送りしました

中1・中2「国語講座」受講生の保護者の方

お世話になっています
「読書感想文」コメント記入、奮闘記です。

生徒が提出してくれた
読書感想文にコメントを書きました

最初から決めていたことはただ一つ
どんな内容でも「全面肯定する」
生徒に取って、「感想文」は書く技術も教えられていない
最も苦しい作業
1行でも書いて提出してくれた生徒は、その中の良いところを見つけて褒める
表面上をなぞるだけでなく、生徒が納得するようにほめる
これが最初からの決意でした

ところが、提出してくれた感想文は想像以上に手ごわかった
あらすじを飛び飛びに書いただけのもの

主人公の名前を読み違えて、まったく別の内容に誤解して読んでいるもの

ゴツゴツしているが、物語の骨格とテーマをしっかり押さえているもの
13編の感想文を一度通読したときには、それに対する感想と誉め言葉が、正直全く浮かばなかった。人間が、ある程度の想像をもって臨んだ場所で、まったく違った光景に出会ったときに立ち尽くす様に似ている

しかし、それは、現在の衣笠の大人目線で読んでいたと反省
もう一度読み直したが、コメントを記入することには困難を極めた。
普通に浮ついた誉め言葉を書くと「嘘」になる

そこで生徒の感想文を2種類のコピーに取った。
1種類は、そのままA4のサイズ
もう1種類は122%拡大してコピーしてB4サイズにした

A4をコメント作成の下書きとして、3回目読み直しながら、生徒が気持ちを入れて
書いた単語を探し赤ペンを引いて囲んでいった。そうすると、読書感想文を書いた時の
生徒の気持ちが少しわかるような気がした。

そうなると初めて、生徒の感想文にも共感の気持ちが湧いてきて、ガタガタしながら
コメントを書き込め出した。
作品の意味を教師が教えるのでなく、友人がともに読書感を語るように書き込むことを
心がけた
とにかく何があっても、提出してくれた感想文を「全面肯定」して褒めるという作業を続けた。
想像以上に疲れる作業で、疲労困憊してしまった。

2回目の感想文は「冷蔵庫との対話」(アクセル・ハッケ著)と「ウサギの日々」(重松清著)から選択して1つ書いてくるというものだった。

前回コメントを書いて返却した生徒は、2回目も全員提出してくれた
嬉しかった。

今回は2回目なので、少しはコメント書きに慣れると考えていたが違っていた
特に「冷蔵庫との対話」は主人公が「冷蔵庫」と友情を育み、冷蔵庫が最新式冷蔵庫に嫉妬を燃やしトースターに対抗意識を持ち、きれいな電気を欲しがるという空想的なファンタジー。

ただ、小説の中にはこのように擬人化の技法を駆使して世界観を伝えるものがあるということ自体が初めての体験で、まったく理解できていない生徒もいた。

その生徒には教えるのではなく、自然に納得するように語りながら感想文の良いところを引き出して褒める。
説教的ではなく、こんな形の小説もあることを理解してもらうことに苦労した。

結局、1回目より2回目の方が赤ペンのコメント量は増えていき
4行の感想文に20行のコメントを書いたものもあった。

新聞社に勤務していたとき。
夜間に通っていた「ジャーナリスト専門学院」で全国的に有名な教官から
教えていただいた
「文章は突き詰めれば音楽になる」
という言葉は、あれから裕に30年以上が経過していますが、いまだに文章作成や指導の際の
座右の銘となっています。

これを考えると、いまの学校や保護者は、音楽を聴いたことのない子どもに作曲することを
強制していると感じてしいます。
本をほとんど読んだことがないのに、感想文や作文が書けるわけがないというのが、多くの生徒の本音ではないでしょうか?

本は、量を読み続けるうちに、速く正確に読めるようになります。速く読めると苦労なく
本の内容の面白さを感じられるようになります。そうなれば、本人の興味を持てるものを
与えておけば喜んで、読書を続けて「本好き」になります。
図書館が友になります
その最初のチャンスは、生まれたばかりのころ。生後3歳までの3年間で1万冊を読み聞かせること。1日10冊として、1年間で3650冊。3年間で10950冊になる。
3年間で1万冊の「読み聞かせ」を、わが子を4人全員東京大学理Ⅲ(医学部)に合格させた
佐藤亮子さん(佐藤ママ)が提唱しています。

感想文を書く技術は学校でも本格的には教えてくれません。
ですから、前回の授業の際に
斎藤孝先生(明治大学教授)が書かれた「最高の読書感想文」の中から感想文を書くために重要な技術をコピーしてお子様にお渡ししました。

今回の感想文の課題は、2週間かけて50ページ以上の自分の好きな本を読んで書いてくるというもの。来週29日には途中経過を報告してもらいます。(感想文を書く本を決定して報告する。どこまで読めたかも途中経過として書くこと)

この2週間、生徒の読書感想文にコメントを書くことを通じて、日頃から気をつけていたつもりでも生徒目線ではなく、
全く凝り固まって枠にはまった
大人の講師目線で生徒を見ていたことに気づかされました。

衣笠

 

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。