城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。
碩学ゼミナールの数学・理科責任者の川真田が、
令和2年入試「数学」の問題分析を書いたので紹介します。
令和2年度入試分析 数学
数学・理科責任者 川真田 渉
今年の数学は、例年と比べて難問がなく、点が取りやすい問題だったといえます。例年、大問5の最後の問題は徳島市立高校理数科受験生のための問題かと思われるような難問なのですが、今年の場合は見かけは難しそうで、あ!これはできないと判断して早々に解くのをやめた生徒も多いようでした。しかし、実のところは、三平方の定理も相似も使わない、円周の公式さえ知っていればできる問題でした。そういう意味においては、受験生の思考を惑わせる難問といえるかもしれませんが……。
問題を個々にみていくと、大問1は小問集合の問題でした。
間違いやすいのは、(6)の近似値の範囲の問題と(8)の振り子の問題、(9)の確率の問題といったところでしょうか。まあ、いずれも問題集などには出てくるパターンの問題なので、できてほしい問題です。
大問2は規則性についての問題でした。
規則性の問題が大問で入試に出たのは久々なのですが、よくあるパターンの問題で、白と黒のタイルの枚数の表を書いて考えればできる問題でした。
大問3は野外活動を元にした少し難し目の小問集合でした。
(1)の一人当たりの支払金額を文字式で表す問題は、40人でわる計算を間違わなければ、簡単な問題です。
(2)のテント内部の一人分の面積を求める問題は、三平方の定理を使って高さを求めて求めるのですが、平成26年度の問題に正八角形の面積を求める問題が出題されており、それと同じパターンで求められるので、過去問をしっかり練習できていればできる問題です(もちろん碩学ではやっています)。
(3)はコップの体積を求める問題でしたが、回転の軸を延長し、大きな円錐から小さな円錐を引けばよいことに気づけば、できる問題でしょう。
大問4は、比例、反比例と二次関数の複合問題でした。
(1)から(3)はできた人が多かったと思います。
(4)はOBの延長線上で Cのy座標4と等しいy座標の点D、点Pを通りx軸に平行な直線とy軸の交点をEとしたとき、△OPEと△ODCは相似になり、△OPCが二等辺三角形になることとあわせて考えると、PはODの中点になるので、このことよりPのy座
標が2と確定できるので、OBの式y=3xよりPのx座標も確定できます。
大問5は円周上の図形に関する問題でした。
(1)(a)は、∠ABDの大きさを求める問題でしたが、意外に手こずった人もいるのではないでしょうか?点CとDを結んでできる△ACDが二等辺三角形なので、∠ACDが70°になり、これが同じ弧ADの円周角である、求めたい∠ABDと等しいことがわかります。
(b)は点Aを含まないおうぎ形OBCの面積を求める問題でしたが、中心角∠BOCを求められるかどうかが勝負の分かれ目なのですが、同じ弧BCの円周角が40°であることに気づけば、80°であることはわかるので、面積を求めることができます。
(2)の証明は仮定と円周角が等しいことから、一組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいことがわかるので、簡単だったのではないでしょうか?
(3)は最後の問題ということで、ちょっと考えてわからなかったので、解くのをあきらめた人が多かったようです。しかし、AC=ADから弧AC=弧AD、また弧BC=弧CD(=xとする)であること、弧ABが8πであることから、弧ADが8π+xとなります。よって、この円の円周が2(8π+x)+xとなり、半径が15w)。磽蹐茲蟇濕・・械愛个箸錣・襪里如△海領省・・蕋・瓧隠侃弌殖海筏瓩泙襪海箸・蕁・侭・祖の長さが14π/3+8π=38π/3と求められます。
このように、大問5は難易度が高いというよりは、答えにつながるものに気が付くかどうかの面があったように思います。こういう傾向が来年以降も続くかどうかはわかりませんが、今まで通り難問を解く力をつけておくと同時に、問題に対応する柔軟な対応力をつけていく必要があるかもしれません。
碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親セミナーも手がける。