最近お世話になっている接骨院の先生から、中学準備のための小学英語について質問をいただいたので、経験にもとづいて少し私見を述べたいと思います。
楽しみの一つとして英語または英語文化にふれるのは幼児からでも十分価値があると思いますが、
中学準備としての小学英語の受講として考えると、小学6年の4月からが、適切ではないかと思います。
現在、中学になってから初めて英語を勉強して、学校の成績では学年トップクラスの生徒を何人か指導していますが、やはり文法に比べ リスニング、発音が比較すると少し不安です 碩学ゼミナールでの英語の正規授業は週2回。その時間では、教科書の説明をして本文の音読をして、問題集を解き内容理解を完全にするのが精一杯です。
以前一緒に仕事をしていたオタワ大学翻訳科出身の優秀なカナダ人講師に、週2回の授業でリスニングや発音の力を向上させる塾の授業の方法を質問したところ、「週2回の授業だけでは無理。家庭でのリスニング練習を指導しないとリスニングや発音の力は向上しない」とはっきり答えられました。
先ほど紹介した中学から英語を始めた生徒は、英単語や英文暗記の際どうしても強引さを感じてしまいます。真面目にノートに書いたり、英文を声に出して暗記しようとするのですが、その際に、わずかですが何かギクシャクした感じを受けます(これは私の取り越し苦労かもしれませんが)。それでも、コツコツ勉強するので成績はトップにいるという感じです。
その点、小学6年生の時にフォニックス理論を学んだ生徒は英語学習がとてもスムーズに進んでいる印象があります。
フォニックス理論(音と文字の関係)とは、英語圏の子供が英語を母国語として習得する際に一般的に使われている指導法です。
たとえば、日本語では「あ」はア、「い」はイとしか発音しませんが、英語では i はイともアイとも発音します。ink(インク)やInternet(インターネット)ではイですが、time(時間)やice(氷)ではアイです。このような文字と音の関係を教えるのがフォニックス指導です。
もう少し説明すると、teacher(先生)はティーチャ(~)ですが、この場合tはトゥ、eaはイー、chはチ、erは人を表すつづりでアーと発音します。これらを続けて発音するとティーチャ(~)となるということです。
中学部の授業でも、知識としては説明しますが小6のようにフォニックス理論をCDの外国人(ネイティブ)の発音とともに徹底的に生徒の体にしみこませるという授業は時間がなくて、なかなかできません。ただ、ある程度それが出来ている生徒は、中学英語の内容を音と英語つづりを一体化して自然と習得していっているように感じます。
小6の一年間をかけて、英語の音のリズムに慣れ、フォニックス理論の重要部分を習得することが、英語学習初期において、いかに価値あることか日々英語学習の現場で実感しています。 衣笠
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