前回は、中学入学前の英語学習でフォニックス理論の重要部分の習得が最重要だと述べました。
今回は、知識面で考えてみたいと思います。
中学までの身につけておきたい英語の知識としては、アルファベットの完全習得(ZからAまで逆の順序でスラスラ書けること。大文字を小文字に確実に書き換えられること)。ローマ字(ヘボン式)の完全習得。数字が1から20まで、曜日が日曜から月曜まで、月が1月から12月まで発音できてきちんと書けること。
ヘボン式ローマ字は明治時代に、ヘボン博士が日本語と英語の音とつづりの関係を考慮して定めたものなので、公立中学で英語を習う場合絶対に必要となるものです。ヘボン式ローマ字を習得していれば、仮にフォニックス理論を知らなくても、英単語、英文習得に自分なりの工夫ができます。
中学で英単語を暗記開始するにあたって最も避けなければならないのが、たとえばdesk(机)のつづりを、音を無視してdディ・eイー・sエス・kケイと言いながら暗記することです。この方法は、正しい英単語の暗記方法と比べて極端に効率が悪いので、これを続けている限り確実に英語嫌いになってしまいます。
また、上記数字・曜日・月に関しては、習得にかなり時間がかかるにもかかわらず中1の英語の授業では本当にさらりと通り過ぎて、テストにはシッカリ本格的に出題されるという現状を心配してのことです。これは子供にとって大変な負担です。小6から英語はまだ早いと考えている保護者の方には、ぜひこの中1学校英語の実態を知っていただきたいと思います。
最後に、ゆとり教育崩壊後、確実に中学英語の難易度が上がっています。中1英語の難易度は3年前の3割アップ位の印象です。そこで、今までお伝えしてきた英語の基礎知識のほかに中1の教科書の最初に出てくる英単語の暗記も追加したいと思います。
たとえば、先日(5月25日)実施された A中学の中1英語の中間テスト範囲は教科書P25までです。その中の掲載英単語は50語を優に超えます。中学まで学校以外でまったく英語にふれないでいて、これらを全部暗記することは大変な努力を要求されます。
実際にA中学の問題を見てみますと、椅子・帽子・ベッド・テーブル・鉛筆・絵を英語で書かせており、notebook,windowを日本語に直させています。以前は教科書に載っていても日常で使わない英単語は書かせる問題として出題されませんでしたが、ゆとり教育崩壊後は難易度の高い出題が増えています。
そこで塾専用教材の必修テキスト中1英語の教科書内容チェックテストには、叔父・鼻・動物園・制服など24単語が書かせる問題として出題されています。
また同時期に実施されたB中学の中1中間テスト範囲は教科書P34(一般動詞の疑問・否定文)までで、リスニング問題も3題出題されました。
今まで書いてきた理由で、個人的見解としては、可能であればぜひ価値ある塾を探して、小学6年生から英語講座を受講することをお勧めしたいと思っています。
衣笠
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