城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。
「読書」に関して
読書と学力と年収の関係や
偉人・有名人の読書哲学などについて書いてきましたが、
今回はこのテーマの最終回として
「子どもを読書好きにするために親ができる大切なこと!」について
5項目に分けて書いてみたいと思います。
子どもを読書好きにするために親ができる大切なこと!
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1. 親が読書を楽しむ姿を見せる
子どもを読書好きにするためには、親自身が読書を楽しむ姿を見せることが最も大切です。親が本を読む姿を見せるこ
で、子どもは自然とその行動を模倣し、読書を「楽しいもの」として捉えるようになります。データによれば、
本をまったく読まない親⇒子供の読書量は月平均2.1冊
月に6冊以上本を読む親⇒子供の読書量は月平均6.9冊
(根拠:小学4年生~中学3年の読書実態に関する学研ホールディングス・講談社調査より)となっています。
このように親の読書習慣が、子どもの読書意欲を引き出し、読書を生活の一部にするための基盤となるのです。
また、親が読書に夢中になる姿を見せることで、子どもに「読書=楽しい」というポジティブな印象を与えられます。例
えば、リビングでお気に入りの本を読みながらリラックスしている姿や、家族で読んだ本について感想を話し合う時間を
持つことで、読書が特別な活動ではなく、家庭の日常に溶け込むでしょう。
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2. 子どもが本に触れやすい環境を整える
読書習慣を育てるには、子どもが本に触れやすい環境を整えることが重要です。子どもの目線に合わせた本棚を用意したり、絵本や漫画を表紙が見えるように並べたりすることで、本を手に取るきっかけを増やせます。
また、リビングやおもちゃの近くに本棚を配置することで、「読書は楽しい」と感じさせる効果があります。
さらに、季節やテーマに合わせて本を入れ替えることで、新鮮さを保つことができます。例えば、夏には冒険物語や自然科学に関する本、冬にはクリスマスや雪を題材にした絵本を選ぶことで、興味を引き出しやすくなります。
また、読書を特別な時間として楽しめるように、クッションや静かなコーナーを設けるなどの工夫も有効です。
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3. 図書館を楽しい体験にする
図書館は、子どもが新しいジャンルの本に出会える貴重な場所です。小さい頃から図書館に親しむ習慣をつけることで、子どもは本を選ぶ楽しさを知り、読書への興味を広げることができます。
「毎週日曜日は家族で図書館に行く」といった習慣を作ると、読書が日常生活の一部として定着するでしょう。
図書館を訪れる際には、楽しいイベントとして演出することも効果的です。例えば、図書館の帰りにアイスクリームを食べたり、公園で遊んだりすることで、図書館が楽しい場所として記憶に残ります。
図書館内では、親がガイド役を務め、子どもの興味に合う本を提案したり、新しい本を一緒に探す楽しさを共有するのも良い方法です。
私(衣笠)の家族にとっても、図書館は特別な場所でした。休日には文化の森にある県立図書館に足を運び、日曜日の昼下がりには家族それぞれが好きな本を選ぶ光景を楽しんでいました。
この時間が、私にとって魂がとろけるほど好きなひとときでした。母が「とにかく本を読む子になりなさい」と語ってくれたことが影響しているのかもしれません。
本に囲まれたその環境は、母の愛情が詰まっているように感じられたのです。
この図書館の習慣のおかげで、長男と長女も本好きの子どもに育ってくれました。
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4. 読書をほめてポジティブな体験にする
子どもが読書をしたときには、その行動を肯定的に評価することが大切です。「同じ本を何度も読むのは良いことだね」
「字がたくさんある本に挑戦できてすごいね」といった声掛けをすることで、読書が達成感のある活動として認識されま
す。無理に褒める必要はありませんが、読書のメリットを自然に伝えることが効果的です。
また、読んだ本について子どもが話したいときには、親が忙しくても耳を傾けましょう。親が真剣に話を聞くことで、子
どもは「読書を通じて自分の考えを伝えるのが楽しい」と感じ、さらに読書に親しむようになります。
私が尊敬する小学校教師だった遠縁の叔父は、図書館を活用してクラスの生徒たちの読書量を大幅に増やした経験があり
ます。彼は生徒が借りた本の図書カードを預かり、返却時にその本の内容について話を聞きながら、子どもたちの読書体
験を褒めました。この工夫により、生徒たちは褒められる喜びからさらに本を読むようになり、クラス全体の読書量は前
年の5倍以上に増えたそうです。
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5. 漫画を入り口にして読書を広げる
(1). 漫画を活用するメリット
子どもが読書に親しむ第一歩として、漫画を活用することは非常に効果的です。佐藤亮子さん(通称「佐藤ママ」)は、4人の子ども全員を東京大学理科三類に合格させた教育経験を基に、幼少期に歴史漫画を利用した学びの方法を推奨しています。
彼女は、長男が幼稚園の頃に歴史漫画の全巻を揃え、絵本の隣に無造作に置いておくことで、子どもが自然に手に取る環境を作りました。
特に、漫画は子どもにとって視覚的に理解しやすく、興味を引きやすいため、歴史や物語への入り口として最適です。この方法を通じて、子どもたちは遊び感覚で歴史に触れ、楽しみながら学びを深めていきました。
その後に教科書や問題集へ進む際にも、漫画を通じて得た知識が基盤となり、効率よく学習が進むと佐藤さんは述べています。
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(2). 漫画をきっかけに学びを広げる方法
歴史漫画や学習漫画は、単なる暗記ではなく、ストーリーとして歴史や知識を学べるため、理解や記憶の定着がしやすいのが特徴です。
• 歴史を可視化:人物や出来事をビジュアルで学ぶことで、歴史の流れを直感的に把握できます。
• 教科書や問題集への橋渡し:漫画を読んで基礎を固めた後、教科書や参考書に進むと、学習が効率的に進みます。
親野智可等(おやの ちから)先生は、小学校教師時代、歴史が“物凄く”得意な生徒たちがほぼ全員、「歴史まんが」をきっかけに歴史好きになった経験を持っていたと驚きの経験を書いています。
「歴史まんが」は、ほぼ全ての漢字にフリガナがついており、子どもたちにとって取り組みやすく、興味を引く手段であり、楽しみながら歴史の知識を自然に吸収できると指摘しています。
特に、ストーリーを通じて学ぶことで、機械的な暗記ではなく、意味のある記憶として定着しやすくなると述べています。
私(衣笠)は、この「歴史まんが」だ大好きで複数種類全巻揃えています。
中学生が勉強の参考に読む場合はKADOKAWA出版の角川まんが学習シリーズ「日本の歴史」がおすすめです。
小学館版「日本の歴史」全20巻は、内容的には高校受験以上、高校の教科書にも匹敵するレベルの内容を丁寧に描いています。
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(3). 学習漫画を活用した反復学習
親野先生が評価する「DVD付 学研まんが NEW日本の歴史」シリーズは、漫画、映像、資料を組み合わせて学べる仕組みが特徴です。
このような教材を使うことで、子どもが飽きずに自然と反復学習ができ、知識の定着が促進されます。
映像での視覚的な補完、資料による深堀りが可能になるため、漫画を超えた広範な学びへと繋がります。
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(4). 家庭での漫画活用の工夫
漫画を単なる娯楽ではなく、学びの道具として活用するためには、家庭での工夫が大切です。
• 自由に手に取れる環境を作る:藤さんのように、絵本やおもちゃの近くに漫画を無造作に置くことで、子どもが自然と興味を持つきっかけを作れます。
• 家族で共有する時間を設ける:漫画の内容について親子で話し合ったり、関連する場所を訪れることで、学んだ内容を現実と結び付けることができます。
• 否定せず自由に選ばせる:子どもが興味を持つ漫画を尊重し、自由に読ませることが、好奇心を深める鍵となります。
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(5). 漫画から広がる読書の可能性
漫画を読んで得た興味をきっかけに、関連する書籍や資料に進むことで、子どもの読書の幅は自然と広がります。
例えば、歴史漫画を読んだ後に教科書を調べたり、物語の舞台を知るために図鑑を開くような流れが期待できます。
親が積極的にこれをサポートし、学びを深める手助けをすることで、読書はさらに豊かな体験になります。
また、漫画を通じた学びは、子どもが他の書籍にも挑戦するきっかけとなります。例えば、歴史漫画で興味を持ったテーマについてより詳しく知るために図鑑を開いたり、小説やノンフィクションに進むことが考えられます。
このように、漫画は読書を始めるきっかけとしてだけでなく、深い学びへの橋渡しとしても役立ちます。漫画で興味を引いた分野について親子で話し合ったり、関連する図書館や博物館を訪れることで、体験をさらに豊かにすることができるでしょう。
漫画が単なる娯楽として終わらないためには、親が積極的に関与し、子どもの興味や学びを広げるサポートを行うことが大切です。
例えば、漫画で知った内容をさらに掘り下げて学べるような関連書籍や資料を勧めることで、子どもはより深い知識と楽しさを得られるでしょう。
このように、漫画を入り口にした読書体験は、子どもの成長や学びに多くの可能性をもたらします。
まとめ:読書好きな子どもを育てる環境作り
親が読書を楽しむ姿を見せ、良質なマンガも含めて、本に触れやすい環境を整え、図書館を楽しい体験の場にすること
が、読書習慣を育む鍵となります。
家庭での工夫や親子での読書時間の共有を通じて、読書の楽しさを伝えることが、語彙力や想像力を育て、子どもの人生
を豊かにする習慣へと繋がるのです。
碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。