城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。
碩学ゼミナール 数学・理科責任者の
川真田講師が基礎学中1理科の分析を書いたので
紹介します。
2024年2月14日実施
中1:基礎学分析【理科】
理科責任者 川真田渉
中1理科は、中2、中3と比べると、習う内容の難易度が高くなく、基礎学の問題もそれ程難易度の高い問題が出しにくいのですが、今年は一部難しい問題も出されており、高得点が取りにくかったと思います。
記述問題も多かったです。
個々に問題を分析していきます。
大問1は自然観察に関する問題でした。
基本問題ではありますが、小問3のタンポポの見られる場所や小問4の微生物についてきちんと覚えていなくて、間違った人もいるかと思います。
大問2はマツの花に関する問題でした。
マツについては、雄花と雌花の区別やつくりの違いはよく出るのですが、間違える人は少なくありません。被子植物とマツは見た目はずいぶん違いますが、植物の中心にめしべや雌花があり、それを取り囲むように雄花やおしべがある点は同じです。そういう基本的な点に注目して暗記するようにすれば間違うことはありません。
小問5の裸子植物を選ぶ問題は複数選択の問題でした。理科ではごくまれに「すべて選べ」の問題で答えが1つしかないということがありますが、普通は答えは複数はあるので、問題の読み落としに注意しましょう。
大問3は無脊椎動物の問題でした。
難しいわけではありませんが、小問2のザリガニのカラダのつくりを書く作図問題が目新しいです。昔の基礎学に昆虫類の足の付き方と本数を図示する問題がありましたが、それとよく似た問題です。
小問3は甲殻類を選ぶ複数選択の問題でしたが、ムカデは多足類で甲殻類ではなく、ダンゴムシは甲殻類であることを知らなかった人は多かったかと思います。教科書に出てくる生物が何類であるかはすべて覚えておかないと、こういうときに意外な失点をしてしまいます。気をつけましょう。
大問4は状態変化に関する問題でした。
小問2で、エタノールの沸点が78度であることは知っている人は多いと思いますが、実験の図から考えて、沸点が選択肢のどれにあてはまるかを考えるのは案外できなかったかもしれません。
小問3の記述問題は、固体、液体の物質の粒子のようすをきちんと理解してないと書きにくい問題でした。
小問4の体積の計算は、エタノールの液体時と固体時の密度の両方が書かれており、混乱して分からなかったかもしれません。液体時の体積が2立方センチメートルなので、液体時の密度より質量がわかるので、それを気体時の密度で割るだけなので、冷静に考えることができればできる問題です。
大問5は気体に関する問題でした。
気体の問題では、基本的な気体の発生方法はもちろん、身近なものを使って気体を発生させる方法も覚えておかないとできません。その上で個々の気体の性質もすべてきちんと覚えておくことも必要です。
また気体については、化学変化の問題等気体の問題以外で問われることも多く、気体の性質の暗記が不十分な人は別の場面で失点することもあるので注意が必要です。
小問1は複数選択の問題でしたが、二酸化炭素の性質をきちんと覚えておかないと正解できません。
小問2はオキシドールと大根おろしで酸素が発生すること、基本の酸素の発生方法、オキシドールに二酸化マンガンで発生することを覚えてないとできません。
小問3はアンモニアの性質と集め方、小問4では水素は火を近づけると燃えて水が発生することを知っておく必要があります。
小問5はまた塩素の性質を選ぶ複数選択の問題でした。塩素は中学校で出てくる気体で唯一黄緑色の色をもつ気体(他はすべて無色)です。アを選ばないようにしなければいけません。
大問6は溶解度に関する問題でした。
溶解度は苦手な生徒も多く、ここで多く失点した人も多かったのではないでしょうか?
小問1のろ過の正しい方法を選ぶ問題はよく出ます。特にビーカーの壁にろうとの先のとがった方をつける、ガラス棒を使ってろ液を流すの二点が間違っていることがほとんどなので、この点を見逃さないよう注意しましょう。
小問2は表をよく見ること、溶解度の意味をよく考えることが大事です。
小問4の2は今回1番難しかったのではないでしょうか?質量パーセント濃度は、ろ液の質量パーセント濃度を求める際、溶け残りの質量を除いて、計算する必要があります。学校でもここまで教えていることが少ないので、できなかった人も多かったと思いますが、中3の基礎学では時々出題されます。中1でこれが出たのは、川真田が記憶する限り初めてだと思います。
大問7は光の反射についての問題でした。
小問3のカーブミラーに映る車のウインカーが右のとき、どちらに曲がるかを答える問題でしたが、会話文にヒントがあるので、それをよく読めば答えられます。
また、厳密に言うとカーブミラーは凸面鏡で平面鏡ではないので若干見え方は違うのですが、左右については平面鏡と同じなのでまあ大きな問題はないかと思います。
小問4の鏡の反射の作図はよく出るので、書けなかった人はよく復習しておきましょう。
大問8はばねののびと力に関する問題でした。
小問2の重力とつり合う力を選ぶ問題は、それぞれの力を「?が?を引く(押す)力」という形で表し、「を」の前の言葉が同じものがつり合う2力になります。この考え方は中3で習う作用・反作用の法則でも応用できるので、しっかり理解しておきましょう。
小問5は、物体が床から離れるときは、ばねに物体の重力がすべてかかるときなので、それがわかればできる問題です。
今回の中1理科は全体的に難しかったと思います。
ただ、基礎学は簡単に点を取らせてくれないことを実感できたと思いますので、来年へ向けてしっかりと復習しておくことが大切です。
碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。