2021/11/22 (月) - ブログ

第2回基礎学【理科】分析 川真田

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です

中学部・理科責任者、川真田講師が、基礎学2回の理科の問題分析を
したので紹介します。

2021年11月17日実施
第2回:基礎学分析
【中3:理科】
理科責任者 川真田渉

今年の第2回の理科は、計算問題が1問(計算が必要な問題があと1問あり)と極端な問題でした。
試験の際には「今回の理科は簡単!」と感じた人も多かったと思います。

以前の基礎学で計算少なめの問題があったりしましたが、ここまで極端なのは初めてではないでしょうか?

ただ、そのときの問題のように、単純な一問一答式に答えられる問題ではなく、記述問題、作図問題が多く出題されていました。
それ故、特に記述問題で意外に×(バツ)にされて、簡単と感じた一方で得点が伸び悩んだ人も少なくなかったのではと思います。

個々に問題を分析していきます。

大問1は動物の進化に関する問題でした。
基本的な問題で、探求の理科レベルです。ここは確実に得点したい問題です。

大問2は気体の性質に関する問題でした。
これも標準的な問題です。(1)のような気体の発生方法は、基本的な発生方法だけでなく、他の発生方法も併せて覚えておかないと、このように出題されることは多いので、要注意です。

(2)も標準的な問題ですが、このような記述問題は採点基準に沿わない書き方で×にされた人もいたのではないでしょうか?
やはり、普段勉強しているときから、自分の解答と解答例と見比べて、書き方が違うときは先生に確認する、正しい書き方を理解し覚える等の対応が必要です。

大問3は堆積岩に関する問題でした。
これも探求の理科レベル。できないといけない問題です。

(4)石灰岩とチャートの区別は頻出問題です。(5)の記述も定番なので、正確に暗記しておきましょう。ちなみに理科の記述問題は、同じ質問の仕方でよく出題される問題も多数あります。
そういう問題は暗記で対処できるので、記述問題というより暗記問題です。

大問4は海陸風についての問題でした。
理由はわかりませんが、基礎学ではなぜか海陸風の出題がよくあります。大事なのに、きちんと勉強していないだろうという出題者の意図があるのかもしれません。
砂と水の比熱の違い、熱せられた空気の流れが理解できていれば、海陸風はさほど難しい内容ではないので、教科書をよく読んで理解しておくことが大切です。

大問5は静電気に関する問題でした。
これも基本問題。探求の理科レベルです。毎年基礎学では、静電気か電子線の問題が1回は出題されることが多いので、気を抜かず勉強しておきたい単元です。

大問6は中和に関する問題でした。
通常中和の問題は、ビーカー内のイオンの数や種類が書かれていないことが多く、自分で類推しないといけないのがほとんどです。

しかし、この問題は何イオンかは書かれていないものの、イオンが□、■、○、●で個数まで書かれているので、水酸化バリウム、硫酸の電離の式を覚えていれば、正解できる問題です。

(4)は、上の図にビーカー内のイオンとできた物質が書かれているので、ビーカー内のイオン数の合計も考えるのは簡単です。
なので、グラフを書くのもさほど難しくなかったと思います。

(5)は塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和では、できた塩である塩化ナトリウムがまわりに水があり電離するので、中性になっても水溶液中にイオンが存在する、硫酸と水酸化バリウムの中和では、できた塩は硫酸バリウムで電離せず水に溶けにくいため沈殿するので、中性になったときに水溶液中にイオンが存在しないという違いをしっかり理解しておきたいところです。

大問7は音に関する問題でした。
(1)は振動回数を計算する問題でしたが、440Hzを5倍するだけという単純なものでした。
(2)はアからエの振動数を計算し、会話文に書かれている各楽器の出せる振動数の範囲に照らし合わせて、当てはまらないものを選ぶという感じでした。
4回振動数の計算をしないといけないのが面倒ですが、問題としてはシンプルだと思います。

大問8は細胞分裂の問題でした。
基本問題です。
ただ、(3)の染色体が複製されるタイミングを訊く問題はいままであまり出題されてこなかったのではと思います。細胞分裂が始まり核膜が薄くなって消えるまでの間に複製されるので、この機会に覚えておきましょう。

今回の基礎学は、今後もう二度とないと思われるくらい計算問題が少なかったです。
普段の基礎学の難易度を100とすると、80くらいだと思います。
記述の採点基準が案外厳しいことなどを加味しても、易しいと思います。

もし今回十分な得点がとれなかったなら、暗記がかなり不十分です。第3回まで少し期間があるので、早急に対策するようにしましょう。

個人的な感覚ですが、徳島の高校入試の理科は七割が暗記もしくは暗記した内容で対応できる問題です。

暗記の重要性を再確認してほしいと思います。

 

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。