2016/03/14 (月) - ブログ

平成28年度 徳島県入試「 理科 」問題の分析・解説 速報!

             城東・城南・城ノ内・徳島北高

             

               徳島市立高校理数科 受験専門塾

     

                      碩学ゼミナールの衣笠です



  2016年3月8日実施の徳島県入試「理科」の問題分析を、碩学ゼミナール、数学・理科担当の川真田先生が分析してくれましたので紹介します。他教科も順次分析して、発表する予定です。生徒さんの、今後の勉強の参考にして頂ければ幸いです




 平成28年度徳島県入試「理科」の分析・解説

生徒の感想では、難しかったとの声もありますが、全体としての難易度はそれほど大きく変わっていないというのが川真田の感想です。


しかし、例年より1番の小問の数が少なめ、記述問題が少し多めという点で「難しい」という感想をもったのかもしれません。ただ、5の酸化銅の還元の問題、特に(4)(5)は見慣れないパターンの問題だったので、手こずった人も多かったと思われます。

まず、1の小問については、特に難易度の高いものは見られませんでした。


気をつけるとすれば、(4)の単細胞生物を選ぶ問題は、ミジンコは甲殻類で多細胞生物なので、ゾウリムシを選ぶ点くらいでしょうか?


(8)(a)のアンモニアの噴水実験の噴水ができる理由を書く記述問題は、定番の記述問題なので、きちんと勉強ができている人なら、特に問題なくできたのではないかと思います。

2は、運動に関する問題でした。

(2)の作図はよく出る問題ですので、たいていの人ができたと思います。作図ができれば、抗力を求めるのはできると思います。


(4)の実験結果の理由を書かせる問題も、(2)の作図ができる人なら、斜面下向きに力がはたらいているのはわかると思うので、それが原因で速さが小さくなっていったのは考えられたのではないかと思います。

3は、遺伝に関する問題でした。

遺伝については普段からきちんと遺伝子型を書いた図を書く練習をしておけば、対応できる問題です。もし、この問題を難しいと感じたのなら、その練習が不足しているといわざるを得ません。

ただ、(3)のおしべを取り除く理由を答えさせる問題は、わからなかった人もいるかもしれませんが、おしべ→花粉→めしべに受粉→種子ができるということは知っているはずなので、人工授粉させる際にはしわの方のおしべを取り除いておかないとしわの種子ができてしまうということは考えられるようにはしておきたいものです。


あと(5)の問題が少し難しかったかもしれませんが、川真田の理科で使用したテキストに同じ問題が出ており、前日の自習のときに、川真田にその質問をした塾生の一人がきちんとできたことをお知らせしておきたいと思います。

4は、柱状図についての問題でした。

(3)の火山灰層が鍵層になる理由は、定番の記述問題です。きちんと学習できている人ならできる問題です。


(4)の地層の傾きを考える問題は、通常通り鍵層である火山灰層の実際の標高を比較すればできる問題ですが、東西南北の4方向が答えになる問題が一般的です。この問題は南西が答えですが、問題文に「八方位で答えなさい」となっているので、北西、北東、南西、南東のいずれかが答えになることは予測しながら解くことが大事です。


(5)X地点の柱状図を書く問題はよくある問題なので、ABC地点の高さの関係を火山灰層から考えることができれば、難易度は高くないはずです。

5は、酸化銅の還元に関する問題でした。

(2)の目玉クリップでゴム管を閉じる理由を答える問題は、たまにしか出ない記述問題なので、理由を知らなかった人や他の加熱実験で火を止める前にガラス管を石灰水から抜く理由(石灰水の逆流を防ぐ)と勘違いした人は多かったかもしれません。


(3)はこの実験結果のグラフを選ぶ問題でした。この手の実験の問題は、グラフの変化点(曲がるところ)が表の値のどれかになることが多いのですが、この問題のように表の活性炭の0.09g0.15gの間にくることも時々あるので、注意が必要です。

おそらく今年の問題で一番難易度が高かったのが、この(4)です。この実験のグラフがきちんと書ければ、グラフの変化点(活性炭が二酸化炭素の発生にすべて使われた点)の時の活性炭が0.12gとわかります。このとき発生した二酸化炭素が0.44gなので、CCO20.120.44311が出てきます。よって、1138が反応した酸化銅中の酸素の比になります。これより、0.11g×8/11=0.08g(反応した酸化銅中の銅の質量)が求まります。よって、求める活性炭0.03gのときの取り出せた銅の質量をxgとすると、銅:酸素=41より、41x0.08なので、x0.32gになります。


(5)(4)ができれば、同じような感じで解くことができます。活性炭0.27gのとき、二酸化炭素は0.44g発生するので、0.44×3/110.12g(反応した活性炭の質量)が出てくるので、使った活性炭0.27gのうち、0.27g0.12g0.15gが反応しなかった活性炭になります。


どうでしたか?今回の問題で高得点を取れたかどうかは、おそらく5のできにかかっていると思います。客観的に見ると難問に類するかと思いますが、この問題の類題も碩学ゼミナールで使用しているテキストには載っています。高得点を取って上位の成績を目指すみなさんは、ぜひ碩学ゼミナールの門をたたかれることをお勧めします。


              

               碩学ゼミナール 理科・数学担当


                        川真田 渉


  


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