2024/12/04 (水) - ブログ

(子どもの)自己肯定感を高めるほめ方

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。

今まで、子どもの褒め方について研究して、何編か文章を書いてきましたが、今回(子どもが)「自己肯定感を高めるほめ方」として文章にまとめてみました。

自己肯定感は、自分自身を受け入れ、価値を感じる感情や信念を指します。この感情は、健康的な心と人生の質を支える重要な基盤です。

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1. 自己肯定感の重要性

① 精神的な健康の維持
• 自己肯定感が高いと、ストレスや困難に対して柔軟に対応できるようになります。
• 自己否定的な考えが少なくなり、うつや不安症のリスクを軽減します。

② 対人関係の改善
• 自分を大切に思うことで、他人との関係も健全になります。
• 他者からの意見や評価に過剰に左右されず、自分らしさを保つことができます。

③ 挑戦と成長の促進
• 自分の価値を信じることで、新しいことに挑戦する勇気が湧きます。
• 失敗しても「次に活かそう」と前向きに捉えることができるため、成長のチャンスが増えます。

1. 中学生の自己肯定感を育む褒め方の基本原則

中学生は、親や教師だけでなく、友人や社会からの評価を強く意識する年齢です。この時期には、以下のような褒め方が特に効果的です。

• 具体性: 抽象的な「すごいね」ではなく、「何がどのように素晴らしいのか」を具体的に伝える。

• プロセス重視: 結果だけではなく、その過程や努力を認める。

• 感情の尊重: 子どもの心情に寄り添い、共感を示す。

• 他人との比較を避ける: 個人の成長や目標にフォーカスする。

• 自己決定を尊重する: 自分で選んだ道や挑戦を評価する。

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2. 中学生の特性に合わせた「努力や過程」を褒める方法

結果よりも努力や工夫を認める

中学生は、試験や部活動などで明確な結果が求められる場面が多くなります。そのため、結果にとらわれすぎると「できなかった自分」を否定しがちです。努力や工夫を褒

めることで、自分に価値を見出す手助けができます。

具体例
1. テスト勉強
o ×「90点なんてすごいね!」
o ○「毎日スケジュールを立てて勉強してたもんね。その努力が実を結んだんだよ。計画性が素晴らしい!」

2. 部活動の練習
o ×「試合で勝ったね!」
o ○「試合のために毎朝早起きして練習してたね。その積み重ねが成果につながったんだよ。」

3. 習い事の取り組み
o ×「ピアノ発表会でミスしなくてすごい!」
o ○「練習でたくさん工夫してたのを見てたよ。本番でその努力が活きて、本当に素晴らしかった!」

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3. 感情に寄り添った褒め方
中学生は感受性が豊かで、時には自分の気持ちを整理するのが難しいこともあります。感情に寄り添いながら褒めると、安心感を与えるとともに自己肯定感を育てることができます。

具体例
1. 勉強に取り組む姿勢
o 「今日はちょっと苦手な英語を頑張ったね。大変だったと思うけど、それでも向き合おうとした姿勢がすごいと思うよ。自分でもやれたって感じてるんじゃない?」

2. 部活動での失敗
o 「試合ではミスがあったけど、全力で取り組んでる姿を見て、本当に感動したよ。悔しい気持ちもあると思うけど、それが次への原動力になるね。」

3. 友達との協力
o 「クラスで出し物をまとめる役をしてたね。きっと大変な部分もあったと思うけど、周りと協力してやり遂げたのがすごいよ!」

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4. 小さな成長を見逃さず褒める
中学生は、勉強や部活動だけでなく、日常生活の中でも多くの成長を遂げています。そうした小さな変化や努力を見逃さずに褒めることが、子どもの自己肯定感を高める大きな一歩となります。

具体例
1. 生活習慣の改善
o 「最近、朝ちゃんと起きられるようになったね。少しずつ自分で生活リズムを整えてるのが立派だよ。」

2. 友達への配慮
o 「友達が困ってたときにすぐ声をかけてあげたんだね。相手の気持ちを考えられる優しさが素敵だよ。」

3. 家の手伝い
o 「学校で忙しいのに、食器を片付けてくれてありがとう!その気配りが家族を助けてくれてるよ。」

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5. 他人との比較を避ける褒め方
中学生は友達との競争や比較を意識する時期ですが、親や教師から他人と比較されると、自分を否定的に捉えがちになります。そのため、「その子自身の成長」に焦点を当てた褒め方を心がけましょう。

具体例
1. 勉強に関して
o ×「クラスで一番だったんだね!」
o ○「今回のテストで苦手だった数学の点数が上がったね。自分でしっかり努力できた証拠だよ。」

2. 部活動に関して
o ×「○○さんよりうまくなったね!」
o ○「前よりもシュートの成功率が上がったね。練習の成果が出てきたんだよ。」

3. 友達との付き合い
o ×「みんなに比べてしっかりしてるね!」
o ○「前は恥ずかしがってたけど、今回ちゃんと意見を言えたね。その成長が本当にすごいと思うよ。」

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6. 失敗や挑戦を評価する褒め方
中学生にとって失敗は怖いものですが、それを「成長の一環」として評価する姿勢を見せることが重要です。失敗した事実そのものではなく、そこから学ぼうとする姿勢や挑戦した勇気を褒めましょう。

具体例
1. テストの失敗
o 「今回は思ったような結果が出なかったけど、間違いをきちんと見直してたよね。その姿勢が次の成績アップに繋がるよ。」

2. 部活動の挑戦
o 「大事な試合でミスしちゃったけど、最後まで諦めないで走り続けたね。その頑張りが本当にカッコよかった!」

3. 新しいことへの挑戦
o 「初めて生徒会に立候補したんだね。結果はどうあれ、やってみようとしたその勇気がすごいよ。」

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7. 自己肯定感を育む具体的なフレーズ集
以下のフレーズを参考に、中学生に響くような褒め言葉を日常的に使いましょう。
• 努力を評価するフレーズ
o 「その工夫、すごくいいアイデアだね!」
o 「毎日コツコツ続けてた努力が実を結んでるよ。」
• 挑戦を認めるフレーズ
o 「勇気を出して発表したね。その姿勢が素晴らしい!」
o 「できるかどうか分からないのに挑戦したんだね。それだけで十分すごいよ。」
• 感情を尊重するフレーズ
o 「悔しい気持ちも大事だよ。それが成長の証だね。」
o 「やり切った後、ホッとしたよね。その気持ちが次のステップに繋がるよ。」

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8. 褒めるだけでなく、非言語で愛情を伝える
言葉だけでなく、態度や行動で愛情を示すことで、褒め言葉がより深く心に響きます。
• 笑顔で接する
o 成果を見たときに、言葉以上に笑顔で「嬉しい」という感情を伝える。
• スキンシップ
o 肩に手を置く、ハイタッチをするなど、軽いスキンシップで認める。
• 一緒に喜ぶ
o 成功を一緒に祝うことで、子どもに「自分の成功は価値がある」と実感させる。

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9. 自己肯定感を育む環境作り
中学生が自分自身を肯定できるような環境を整えることも重要です。
安全で安心な環境
• 失敗しても責められない環境を整える。
• 自分の意見を自由に話せる雰囲気を作る。
自己決定の場を与える
• 「どの参考書を使う?」「部活でどう取り組む?」といった、小さな選択肢を与えることで、自己信頼を育む。

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10. 長期的な自己肯定感の育成
中学生にとって自己肯定感を高めることは、将来の挑戦や人間関係に大きな影響を与えます。
ポジティブな影響
1. 挑戦への意欲
o 自分を信じることで、新しいことにも積極的に取り組む。
2. 失敗からの回復力
o 失敗を次の挑戦への糧とする強さを持つ。
3. 他者との良好な関係
o 自己肯定感がある人は、他人に優しくできる。

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まとめ
中学生向けの褒め方は、「努力や挑戦を認める」「具体性を持たせる」「感情に寄り添う」ことを意識することで効果を発揮します。

失敗や挫折も含めて肯定的に捉える姿勢を見せることで、子どもたちは「自分には価値がある」と感じられるようになります。

日常の小さな成功や成長を見逃さず、適切な褒め方を続けていくことで、子どもたちの自己肯定感は確実に育っていくでしょう。

 

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。