2024/11/14 (木) - ブログ

「叱り方・励まし方」について【 後半 】

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。

「叱り方」「励まし方」の【 後半 】です。
【 前半 】をまだお読みでない方は、【 前半 】の方から
先にお読みください。(衣笠)

子どもが、「自己肯定感」を損なわない「叱り方」

自己肯定感を守りながら叱るためには、「子ども自身を否定せず行動を具体的に指摘する」「改善策を示す」「叱る基準を一貫させる」ことが大切です。年齢に合わせた具体例とともに、大前暁政の提案を紹介し、最後に叱り方のポイントと一貫性の重要性をまとめます。

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小学生への叱り方
1. 行動の理由を説明し、理解を深める

• 悪い例:「どうしてすぐに片付けないの?」

• 良い例:「片付けをしてくれると、次に使いたい時にすぐ見つけられて便利だよ。どこに置くか一緒に決めようか?」

ポイント:理由を説明することで、子どもが行動の意味を理解しやすくなります。

2. 「こうしたらもっと良くなるよ」という肯定的なフィードバック

• 悪い例:「全然集中できてないね!」

• 良い例:「今日は少し集中が難しかったかな。次は30分頑張って、休憩をとるのはどう?」

ポイント:改善策を示しつつ、達成しやすい目標を提示します。

3. 小さな成功を一緒に確認し、ステップアップを提案する

• 悪い例:「なんでまた忘れ物するの?」

• 良い例:「今週は水曜日以外は忘れ物をしなかったね。来週も一緒にカレンダーでチェックしながらやってみようか?」

ポイント:小さな成功を認めつつ、次のステップを具体的に提案します。

4. 他者への影響についても考えさせる

• 悪い例:「そんなことするのやめなさい!」

• 良い例:「おもちゃをお友達と一緒に使うと、お互いにもっと楽しいかもしれないね。」

ポイント:他者への配慮を教え、協力の大切さを感じさせます。

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中学生への叱り方

1. 行動と結果を冷静に説明する

• 悪い例:「いつもやる気がないね!」

• 良い例:「宿題をしっかりやっておくと、授業の理解がスムーズになるよ。今はどこでつまずいてる?」

ポイント:なぜやる気を持つことが大事かを具体的に説明し、やる気を引き出します。

2. 冷静にアドバイスし、建設的な対話をする

• 悪い例:「そんなこと言ってもしょうがないでしょ!」

• 良い例:「自分の気持ちを伝えるのは大切だよ。ただ、伝え方次第で相手の受け取り方も変わるんだ。別の言い方も考えてみようか?」

ポイント:冷静で建設的な対話を通じて、感情表現の仕方を教えます。

3. 失敗を学びの機会と捉えさせる

• 悪い例:「またミスしてるね!」

• 良い例:「今回のミスから何が学べそう?次はこうしてみたらいいかもね。」

ポイント:ミスを将来に活かす視点を持たせ、自信を回復させます。

4. 自分の考えを引き出し、自己解決を促す

• 悪い例:「なんでまた忘れ物したの?」

• 良い例:「どうすれば次に忘れ物をしないようにできると思う?カバンにメモを貼ってみる?」

ポイント:自分で解決策を考えさせることで、責任感を育てます。

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高校生への叱り方

1. 判断理由を聞き、意見を尊重する

• 悪い例:「なんでこんなことするの?」

• 良い例:「どうしてその方法を選んだの?どんな結果を期待していた?」

ポイント:判断基準を尋ねることで、考える力を育みます。

2. 改善のための具体的なアプローチを一緒に考える

• 悪い例:「もっと考えなさい!」

• 良い例:「次に同じ場面になったら、どう行動するのが良いと思う?何かサポートが必要なら教えてね。」

ポイント:改善の方法を共に考えることで、自主性を育てます。

3. 未来への成長を見据えたフィードバックをする

• 悪い例:「もういい加減にしなさい!」

• 良い例:「これからの将来にもつながる部分だから、今のうちに少し意識しておくと良いよ。」

ポイント:将来のビジョンに基づいたフィードバックで、成長の機会と捉えさせます。

4. 信頼を前提としたポジティブな叱り方

• 悪い例:「また失敗?もう知らないよ。」

• 良い例:「今回は惜しかったけど、次はきっとうまくいくよ。どこを意識すればいいか一緒に確認しておこう。」

ポイント:信頼を前提に励ましつつ、次の成功をサポートします。

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大前暁政の著書『「自己肯定感」を高める褒め方・叱り方』からの具体例

大前暁政は、叱る際には「具体的な行動の改善策を伝え、叱りの基準を一貫させること」を推奨しています。叱る基準が一貫していることで、子どもが安心して自分を振り

返りやすくなります。

大前氏の具体例

• 例1:友達とのトラブル

o 悪い例:「どうしていつも友達とケンカするの?」

o 良い例:「友達とケンカしてしまったんだね。次に同じような場面があったら、どういう言葉で気持ちを伝えると良いか、一緒に考えてみよう。」

ポイント:ケンカの反省だけでなく、具体的な改善策を一緒に探る姿勢が大切です。

• 例2:学校での課題の提出遅れ

o 悪い例:「また提出が遅れたの?しっかりしなさい。」

o 良い例:「提出が遅れると成績にも影響するかもしれないね。次は期限を守れるように、どのタイミングで取り組むのが良いか一緒に計画しようか。」

ポイント:具体的な行動に対して叱り、改善の手助けをすることで、責任感と実行力が育ちます。

• 例3:忘れ物

o 悪い例:「また忘れ物をして、だらしがないね。」

o 良い例:「忘れ物を防ぐために、カバンのチェックリストを作ってみるのはどうかな?これなら、次はうまくいくかもね。」

ポイント:失敗を単なるミスとしてではなく、工夫するチャンスと捉えさせます。

大前氏は、「叱る際には、具体的な改善方法とポジティブな期待を伝える」ことが、子どもの自己肯定感を高めるために有効であるとしています。また、叱る基準が一貫し

ていることで、子どもも親の意図を理解しやすく、改善しやすい環境を提供できます。

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叱り方のポイントまとめ

• 行動を具体的に指摘する:曖昧にせず、行動の何が問題かをはっきりと示す。

• 具体的な改善策を示す:どのようにすればよいか具体的な行動を提案する。

• ポジティブなフィードバックを意識する:自己肯定感が下がらないように、改善点をポジティブに伝える。

• 一貫した基準を持つ:叱りの基準を一貫させることで、子どもが安心して自分の行動を見直せる。

• 子どもとの対話を重視する:一方的に指摘するのではなく、子どもと対話しながら自己解決に導く。

これらのポイントを意識することで、叱ることが自己肯定感を損なわず、前向きな成長をサポートする形になります。大前暁政の方法を参考に、建設的で一貫性のある叱り

方を心がけることで、子どもが安心して自己を改善し、成長できる環境を提供できるでしょう。

この回は以上です

何かのご参考になれば、幸いです。

令和6年11月12日【後半】

碩学ゼミナール 衣笠