2024/11/19 (火) - ブログ

「甘え」と「我慢」の重要性

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。

碩学ゼミナールでは、子育てに役立つ参考資料として佐々木正美医師と明橋大二医師の著作を貸し出しています。また、保護者会ではお二人の考え方やエピソードも紹介しています。以下に、お二人の経歴と著書をもとに「甘え」と「我慢」の重要性についてお話しします。

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明橋大二医師
• 生年月日: 昭和34年、大阪府生まれ
• 専門: 精神科医であり、子育て支援の第一人者
著書『思春期に頑張っている子』で広く知られる
• 経歴:
o 京都大学医学部を卒業後、精神科医として国立京都病院内科、名古屋大学医学部附属病院精神科、愛知県立城山病院に勤務
o 児童相談所の嘱託医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センター「ぱれっと」理事長として活動
• 特徴的な取り組み:
発達障害や思春期の子どもの心のケアを専門とし、親子関係を温かく保つための実践的なアドバイスを提供
o 特に「甘えの心理」を重視し、子どもの心の成長に寄り添う独自の子育て論を提唱

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佐々木正美医師
• 専門: 小児科医・児童精神科医
発達障害や育児分野での長年の活躍が評価される
• 経歴:
o 東京大学医学部卒業後、アメリカで発達心理学を学び、児童精神医学でも成果を挙げる
• 代表的な著書: 『抱きしめよう、わが子のぜんぶ』
o 親に向けて愛情深い子育ての重要性をわかりやすく伝える
• 特徴的な取り組み:
「安心感」を基盤とした子どもの発達支援に力を注ぎ、親子関係改善に尽力
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「甘え」と「我慢」の重要性
佐々木正美医師の『子どもへのまなざし』や明橋大二医師の『子育てハッピーアドバイス』では、子どもの健全な成長において「甘え」と「我慢」のバランスが重要であることが説かれています。この二つは対立するものではなく、相互に補完しながら子どもの心を支えます。

1. 「甘え」の役割
• 安心感と自己肯定感の育成
o 「甘えられる環境」があると、子どもは安心感を得られ、自己肯定感が育ちます。

o 例: 学校で嫌なことがあった際に、親が「どうしたの?」と共感して話を聞くことで、子どもは「大切にされている」と感じます。
• 挑戦する勇気の土台

o 明橋医師によれば、「甘えられる安心感」が挑戦する力の基盤になります。

o 例: 新しいことへの挑戦で失敗しても受け止めてくれる親がいると、子どもは挑戦を続けやすくなります。

2. 「甘やかし」の弊害
• 親がすべてを代行するリスク

o 例: 宿題を親が代わりにやる、欲しいものを全て買い与えるなど

o 自己解決能力や我慢する力が育たず、他者への配慮や責任感の欠如につながる可能性があります。

3. 「我慢」の育て方
• 「甘え」が基盤になる我慢
o 佐々木医師は「甘えられるからこそ我慢できる」と指摘しています。

o 例: 欲しいおもちゃを「今は買えない」と伝えた際、普段から気持ちを受け止めていれば子どもは納得しやすくなります。
• 小さな成功体験の積み重ね

o 明橋医師の提案する方法として、簡単な家事を頼むことで達成感を味わわせることが挙げられます。

o 例: 皿洗いやお手伝いを通じて、役立っている感覚を持たせます。

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無気力な子どもへの対応
無気力な状態には、不安やプレッシャーが潜んでいる場合があります。このような状況でこそ「甘え」の重要性が増します。

• 気持ちを受け止める

o 無理に問い詰めず、「つらいことがあった?」と共感しながら話を聞きます。

o 「見守られている」と感じる安心感が、前向きな行動へのきっかけになります。

• 小さな目標の設定

o 例: 「今日はここまでやってみよう」と小さな挑戦を提案し、達成した際に称賛することで自信を育てます。

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親ができる具体的な取り組み
1. 甘えを受け止める

o 子どもの話を真剣に聞き、共感的に対応する。

o 例: 「それは辛かったね」といった言葉で受け止める。

2. 我慢を教える

o ルールを守る大切さを伝える。

o 例: 欲しいものを我慢したら「我慢できて偉いね」と褒める。

3. 無気力への小さな挑戦

o 簡単な家事や役割を任せる。

o 例: 「お皿を片付けてくれると助かるよ」と感謝を伝える。

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まとめ
『子育てハッピーアドバイス』や『子どもへのまなざし』が教えるように、「甘え」と「我慢」の両立は、子どもの心を健全に育む大切な柱です。

親が適切に見守りながら子どもを支えることで、安心感を基盤に成長を促せます。

日常の中でこれらを意識的に取り入れ、親子の絆を深めながら、より良い子育てを実践していきましょう。

 

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。
毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。
元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親
セミナーも手がける。