2021/01/23 (土) - ブログ

第3回基礎学「理科」問題分析!

城東高校・徳島市立高校理数科

県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)

  受験專門塾

     碩学ゼミナールの衣笠です。

 

基礎学3回の「理科」の問題を数学・理科責任者、川真田(先生)が分析しましたので

紹介します。

基礎学第3回理科分析です。

 

2021年1月13日実施

第3回:基礎学分析

【中3:理科】

理科責任者 川真田渉

 

 

第3回の理科は、運動とエネルギーまでが追加される中3範囲だったので、ここがポイントになることは予想できたのではないでしょうか?また、電気の問題はモーターに関する出題でしたが、過去の基礎学力テスト、徳島県入試でも、モーターに関する出題はほとんどなく、油断していた人も少なくないでしょう。

 

全体としての難易度は高くはなく、ある程度高得点が取れた人も多かったと思いますが、所々に間違いやすい問題がちりばめられており、意外に100点が取れた人はいなかったのでは?と思います。

 

今年の基礎学第1回の難易度が100とすれば、第2回は85、第3回は105といった感じでしょうか?

 

個々に問題を分析していきます。

 

大問1は植物の葉の観察の問題でした。

基本的な問題ですが、(1)の理由を書く問題があまり出題されたことがない問題で、案外できなかったかもしれません。顕微鏡は基本的に薄い観察物に光を透過させて観察する装置です。このことがわかっていれば、正解できたと思います。他の問題は観察、植物の基本的な問題ですが、(4)を気孔ではなく孔辺細胞と書かないよう注意しましょう。「三日月型の細胞で囲まれたすきま」と書いていれば、「気孔」、「三日月型の細胞を?」と書いていれば孔辺細胞です。きちんと問題を読んで、このキーワードで見分けましょう。

 

 

大問2は力のつり合いに関する問題でした。

(1)?(3)は標準的な問題です。(3)?のAとBが物体を引く力が、1人で持つときと等しくなる状態の図を選ぶ問題は、川真田の授業では必ず覚えるよう指導しています。また、(4)、(5)のつり合う2力、作用・反作用になる2力を選ぶ問題は、意外に中学生ができない問題です。「2力のつり合い」と「作用・反作用」の違いを理解しておくことはもちろんですが、どの2力がそれに当てはまるか選べるように学習しておくことは大切です。これについても、川真田の授業では必ず指導しています。塾生でもしできなかった人がいるなら、授業をきちんときけていないか、復習不足です。

 

 

大問3は密度の問題でした。

基本的に密度=質量÷体積がわかっていればできる問題です。ただ表1の5つの物質の密度をすべて計算する必要があるので、少し面倒だったかもしれません。(2)については計算自体はやさしいですが、きちんと指定通りに四捨五入し、単位を正確に書かないといけないので、うっかりミスした人もいたかもしれません。(5)の質量の大きい順に並べる問題は、表1の密度がきちんと出せていれば、質量=密度×体積で個々の質量は出るので、意外に簡単です。計算ミスした人は、理科というより小学校の算数の小数計算の練習が必要です。ことが数年前に基礎学に出題された溶解度の問題とは比べものにならない位、やさしい問題です。

 

 

大問4は日本付近の冬、台風発生時、6月頃の天気図についての問題でした。

問題としては、基本問題です。しかし、(4)の訂正が必要なときは正しい語句を書くパターンの問題になると勘で答えを選ぶことができないため、ぐっと正解率が下がります。単に用語を覚えるだけでなく、その用語の意味まで覚えることが大切です。(6)の停滞前線の記号を書く問題は、こんなのは出ないと思ってきちんと覚えておらず、あせった人もいるでしょう。しかし、理科のこういう図記号は正確に覚えておかないと、今回のように思わぬ時に出題され、点を落としてしまうことがあります。

 

ただ、生徒の解答を何人か見せてもらいましたが、学校(先生?)によって採点基準の厳しい、甘いの差があるようです。記号は教科書通り正確に覚えていれば、厳しい場合でも必ず○になるので、そこらの丁寧な勉強は大切です。

 

 

大問5は塩酸の電気分解に関する問題でした。

これは基本問題です。特に変化球的な問題もないので、この問題で間違った人は完全に勉強不足です。

 

大問6は火成岩に関する問題でした。

最近流行の対話文形式の問題です。問題としては基本的な問題ですが、(3)の岩石名を選ぶ問題は、火成岩の表で、流紋岩、花こう岩がセキエイ、チョウ石、クロウンモ、安山岩、せん緑岩がカクセン石、キ石、玄武岩、ハンレイ岩がカンラン石をそれぞれ含むことを覚えていればできる問題です。

 

 

大問7は遺伝に関する問題でした。

メンデルの遺伝の孫の代までの遺伝のパターンを理解していれば、割と容易にできる問題ではないかと思います。入試ではもう少し難易度の高い遺伝の問題も出るので、遺伝については、油断せず、さらに理解を深めておく必要があります。

 

 

大問8は電流と磁界のモーターに関する問題でした。

前述しましたが、基礎学や徳島県入試では、モーターに関する出題はいままでほとんどありませんでした。とはいえ、基礎学の範囲内なのでこのように出題されることがあるので、勉強はやっておかないといけません。全体としては、フレミング左手の法則がわかっていれば答えられる問題ですが、整流子のはたらき(これがないとモーターは半回転ごとに回転が逆になる)がわからなかったかもしれません。また、今回は出題されませんでしたが「整流子」という言葉を答えさせる問題が出題されることもあります。間違った人はきちんと復習しておきましょう。

 

 

どうでしょうか。第3回は難しくはないけど、100点が取りにくい問題です。理科は基礎学、入試ともまったく歯が立たないことはないけれど、難しい(間違いやすい)問題が混ざっていて、それがうまく正解できたら点は伸びますが、ことごとく引っかかると思わぬ点を取ったりします。ここから先はいかに正確に丁寧な勉強をしていくかが勝負の分かれ目になってきます。志望校合格し、桜咲く15の春を迎えられるよう頑張りましょう。

 

文責 川真田

 

 

 

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴

城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。

毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。

元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親

セミナーも手がける。