2020/04/01 (水) - ブログ

城東高校が「全県一区入試」となる今年度の変化。

城東高校・徳島市立高校理数科

県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
 受験專門塾
     碩学ゼミナールの衣笠です。

保護者の質問に回答しています。
業務の関係で、回答が遅くなりましたが、一部修正して公開します

【ご質問】
城東高校が全県一区の430点ボーダーになるとすると、
徳島北高普通科の学区外は、何点程度のボーダーになる予想でしょうか。
【衣笠の考え】
城東高校が全県一区の430点がボーダーになるとすると
徳島北高校の学区外は、現在420点として410点くらいには下がると考えます。
昨年まで、城東高校の学区外は基礎学450点がボーダーだと言われていました。それが430点となると430点から445点くらいの徳島北高校
に近い学区外の生徒の多くが、追加で学区外から城東高校を受験すると考えられます。
この430点から445点くらいの生徒が抜ける分、徳島北高校の学区外の
条件が変わらなければ、ボーダーは下がると考えます。

【ご質問】
城ノ内高校も受験がなくなり、学区内で城東高校に行けなくなった子たちが北高を多く受けると、学区外の子は、北高の方が城東よりも入るのが難しいということになるのでしょうか。
【衣笠の考え】
学区外の430点から445点の生徒が城東に抜けるので学区外から徳島北高校へのボーダーは下がります。
学区内の生徒は城東高校に関しては、学区外の430点以上の生徒と競うことになりますから、学区内の生徒は今年と比べればかなり大変な受験となります。学区内では、今年の受験まで城東高校のボーダーは400点とされてきました。
それが、学区内の生徒も城東高校のボーダーが430点となると
それまで城東高校を受験したであろう400点から430点の生徒が、その他の旧総選校に流れていくので、当然その他の旧総選校のボーダーも上がります。
ちなみに、2019年3月の入試(新高2が中3の時)で見てみると

 昨年の高校入試出願までの状況
【 2018年11月 】(徳島新聞掲載)
城東高校 普通 学区内  86名オーバー
         学区外  28名オーバー 合計114名オーバー

 城南高校 普通 学校内  142名オーバー
         学区外  28名オーバー 合計170名オーバー
       
 城北高校 普通科 学区内 16名オーバー
          学区外 18名オーバー
       理数科学科  11名オーバー 合計45名オーバー

 徳島北高校 普通 学区内 52名オーバー
          学区外 36名オーバー 合計88名オーバー

徳島市立高校 普通 学区内  52名オーバー
          学区外  1名不足   合計51名オーバー
         理 数 科 32名オーバー 

【 2019年3月 】(徳島県教育委員会ホームページ掲載)
 実際に入試を受けた人数
城東高校 普通   2名オーバー
 城南高校 普通  10名オーバー
          
 城北高校 普通科  22名オーバー
         
 徳島北高校 普通  10名オーバー
        
 徳島市立高校 普通   5名オーバー
       理 数 科 10名オーバー

現在、一般的に入試偏差値のみで言うと(良い高校かどうかは別にして入試偏差値のみでは)
入学しやすさは普通科では、①城東 ②城南 ③徳島市高 ④徳島北高 ⑤城北高校となります(衣笠の考え)
(ただ、徳島北高校は地理的関係から、上位層の生徒も多数存在し、上位層では理数科を除いた市高の上位層と比べても充実していると考えます。)

 とりあえず、入試に合格するという観点からみると、城東を押し出された
110名余りの生徒が
城南に志望変更し、城南を押し出された150名以上の生徒が市高に志望変更し、このような玉突きの
最後は、どんなに危険を背負っても旧総選校にこだわるという生徒が城北を受験したと考えられます。
それが2018年11月時点でオーバー数が一番少なかった城北が、入試で不合格になった人数は
他の高校の2倍以上という結果につながったと思います。

この上位校からの雪なだれ現象が、今年度は430点の城東から下に向けて起こると考えられます。

【まとめ】学区外と学区内の受験者・合格者は完全に分離されているので、城東高校が全県一区となったら
   校区外からの生徒に取っては、徳島北高校も、城東高校も昨年より入りやすくなり、学区内の生徒にとっては
   すべての旧総選校のボーダーが上がるというのは明白なことであると考えます。
  生徒数が1学年100名程度の校区外の公立中学であれば、昨年まで学年1番か2番の生徒しか城東高校に合格できなかったのが、今年度から3番・4番でも合格するというように変わります。

 【非常に重要な追加説明】
  基礎学力テストは中3で3回あります。今年も改めて感じましたが、他県の人が基礎学力テストを「第2の入試」と呼ぶように、本当に基礎学力テストの点数が志望校決定に重大な影響を与えます。塾の現場の実感から発言すると
「基礎学力テスト」の「点数のみ」で判断されるといっても過言でないくらい受験高校選択には基礎学力テストが大きな影響力を持っています。
しかもその内、受験の年の1月に実施される基礎学3回が他の回に比べ絶大な影響力を持ちます。大袈裟に言えば
基礎学3回で高得点を取れば学校は志望校の受験をほぼ許可してくれます。
例えばボーダー400点のJ高校を受験するとして、以下の2名を比較 します
Aさん 1回410点→2回430点→3回375点
Bさん 1回375点→2回395点→3回405点

学校がJ高校受験の許可を出すのはどちらの生徒だと思われますか?
衣笠の経験では、多くの方が予想された通りBさんです。
なぜ、それほど第3回を重視するかについては、次のような理由が考えられます。
① 多くの場合、基礎学3回の数学は、1回、2回と比べて非常に難易度が高い。よって学校の平均点も低い。徳島県の高校入試では数学の平均点が、平成30年 40.4点、平成31年 46点.1点と
他の科目に比べダントツに低い(問題が難しい)ので、数学が難しい基礎学3回の平均点が高い生徒に難易度の高い高校を受験させたいと考えるから。
今年の中3(新高1)の基礎学3回の数学の難易度は非常に高く、間違いなく過去10年で1番難しい問題でした。その結果、数学で大変大きな点数差がつきました。

② 学校は、受験直前の2月の1か月間、ほとんど進路指導、進路調整に忙殺されて学力向上のために、補習等通常以上の指導がしづらいのが現状です。(中学の教員をしている衣笠の友人の話を聞くと、この1か月は生徒のために多くの自分の時間まで使って、本当に大変だと思います)
そこで、学校は生徒に対して「自学」によって成績を上げられる生徒に上位高校を受験してほしいと考えていると推察しています。
2学期の期末テストが終わった12月最初から、1月10日の40日くらいの間、学校行事はほとんどありません。
その間に冬休みもあるので「自学」する生徒としない生徒の学力差は今まで以上に大きく開くこととなります。
12月の騒がしい月に、クリスマスなどの行事に惑わされず、基礎学3回に高得点を取った生徒は「自学」に優れていると学校から認定されます。
大きく分けて、以上①②2つの理由から、基礎学3回の成績は直前のテストという以上に学校に重要視されています。

   【最後に】
     基礎学3回の過去の問題は10年分以上碩学ゼミナールにあります。
しかも、数学・理科なら川真田、鴻野、英語なら浜井、秋元、国語なら秋元、衣笠、社会なら衣笠というように、各教科に10年以上の指導経験を
     もつ専門の講師が在籍しています。

その結果、どのくらいの難易度の問題を解く実力が有れば、何点取れるということは、すべてわかります。それ故、計画的に指導することも可能です。

    中2基礎学(2月13日)→中3基礎学3回(1月10日)
          400点→450点
          380点→430点
          350点→400点
          250点→330点
    このくらいは毎年何人も点数を上げています。
    中には、これ以上に点数を上げている生徒もいます。
大切なことは、いまから塾の課題をしっかり実行し、本気で勉強に取り組むことです。
約9か月余り有れば、驚くほど成績は上がります。そのことを十分理解したうえで本当に行きたい高校を志望校にしていただきたいと切に願います。

以上、参考になれば幸いです
 令和2年3月31日
  碩学ゼミナール 衣笠

碩学ゼミナール 塾長 衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親セミナーも手がける。