2020/01/18 (土) - ブログ

第3回基礎学「社会」分析!

城東高校・徳島市立高校理数科
県立上位高校(城南・城ノ内・徳島北高)
受験專門塾
碩学ゼミナールの衣笠です。

 

基礎学3回「社会」分析
碩学ゼミナール 社会 責任者 衣笠

 

今回の基礎学3回「社会」も、第2回と同じく
生徒にとって、比較的高得点をねらいにくい問題だったと思います。10年ほど前の「ゆとり教育」の時代には
暗記より資料活用ということで、社会も問題文の資料をうまく活用すれば解ける問題が多く、暗記を軽視する傾向もありました。ただ、最近は適度に暗記問題も増え、暗記と資料活用のバランスが適切だと感じていました。
今回の基礎学3回は、そのバランスの上にいくつかの知識を組み合わせて正解を導き出す問題やわかりにくい聞き方をされたり、選択問題の中に生徒が勘違いする問題が多かったと感じました。それによって高得点(90点以上)が生徒が少なかったという印象です。

今回問題の難易度をA・B・Cの3分類で分析を開始しましたが、
A(基礎)の問題でありながら問われ方によって難易度が上がった問題が多くそれをABとしました。
同じくB(標準)問題の中にも大変答えにくい問題、勘違いしやすい問題があり
それをBCとしました。
その結果今回は、難易度のレベル分けはA・AB・B・BC・Cの5段階で実施しました。

 

問題数は全部で47問
(2点問題41問、3点問題6問です)

 

レベル分け内訳は

【地理分野】
A問題 10問
AB問題 2問
B問題 1問
BC問題 1問
C問題 2問

 

【歴史問題】
A問題 8問
AB問題 5問
B問題 3問
BC問題 1問
C問題 1問

 

【公民問題】
A問題 5問
AB問題 3問
B問題 3問
BC問題 1問
C問題 1問

 

 

【地理・歴史・公民・合計】
A問題 23問
BA問題 10問
B問題 7問
BC問題 3問
C問題 4問 (合計47問)

 

 

A・AB問題(33問)は、自塾使用教材の「マイクリア」など基礎・標準問題集をほんとうに身につくまで繰り返し学習すれば確実に得点できるものです。これから基礎・標準問題集の学習により66点は確実に取れるということになります。

 

それに比べて1番(5)の「地球儀での方位の調べ方」などは、ほとんど出題例がなく、間違いなくC問題です。
今回、C問題とBC問題の合計7問が得点しにくい問題とすると、その点数は16点。

 

つまり、今回84点以上得点できている生徒は、社会の学力が上位レベルと判断できます。徳島市内のある中学の社会の平均点が48.7点ということですが、これは全体に落ちたこと以上に、上位層の得点が伸び悩んだ結果だと推察します。

ここから「地理」「歴史」「公民」と分野別に分析します。

 

まず「地理」から。
1番は「世界地理」です。
1番の(7)は過去問でも繰り返し繰り返し出題された主要輸出品の問題で、南アフリカ、中国、オーストラリア、アルゼンチンから正解を選ぶ問題でした。オーストラリアが正解ですが、オーストラリアは教科書での扱いも大きく頻出国なので4か国の中で最も簡単に選択でき難易度Aです。これが、南アフリカが正解になっていればABの難易度の問題であったと思います。

 

(8)はアメリカと日本との貿易の推移をグラフから読み取る問題で
間違いを1つ選択する問題です。本来難易度が高い出題形式ですが
1つ1つ丁寧に読み解けば正解にたどりつけているのでA問題としました。
ただ、焦って間違えた生徒も結構いると思います。

 

1番のBC問題は住宅が高床になっている理由を「永久凍土」という語句を使って説明する(3)です。教科書の本文にある記述ですが、問題集や過去問であまり出題されていないのでBC問題としました。
教科書の本文を全部暗記できれば良いのですが、「歴史」と違って「地理」は教科書の本文を完全に暗記するのは基礎学85点以上目標の場合の勉強方法なので、今回は敢えてBC問題と分類しました。

 

その他(5)の「地球儀の方位の調べ方」はア~エからの選択問題ですが、ほとんど出ない問題ですし、理由をわかって選択できる生徒は非常に少ないと考えます。難易度Cです。

 

 

2番は「日本地理」
「世界地理」「日本地理」を通しての最重要暗記事項は、世界地図上で、主要30か国の国名。地図記号。都道府県の位置と形と県庁所在地明
それと主要地点の「雨温図」です。

 

1番の「世界地理」にも(4)で「雨温図」が出ていましたが、2番の日本地理でも(1)で地図の形から、京都府の名前とその中の地点の「雨温図」を答えさせる問題が出ていました(難易度A)

 

(4)では、京都の二年坂の2005年と2013年の2枚の写真を載せて
「どのように変化したか。『歴史的景観』という語句を使って説明しなさい」という問題が出題されました。この写真は2枚とも帝国書院「地理」教科書P204に掲載されているものです。ただ、教科書では「右の写真で電柱がなくなっているのはなぜかな?」と問いのみ掲載されて、ハッキリとした答えは書かれていません。
ただ、京都に関した問題はよく出題されることと、資料から判断する記述問題であることを考えて難易度はBとしました。

 

(6)(b)の問題は地図上にAの島々の場所が示され以下のように書かれています。「Aの島々は、日本の領土であり、そもそも領土問題は存在しないが、近隣国が一方的に領有権を主張するようになった」このAの島々…。
Aの島々の名前を選択問題ではなく、(    )諸島と、書かせる問題として出題しています。
答えは(尖閣)諸島です。教科書には黒の太文字での記載ですが、中国を近隣諸国と国名を出さない表現に変えて、地図の位置から判断させるというところに難易度の高さを感じます。 中国が連日領海内に侵入していることがニュースで報道されていることもあり、出題者はこの問題を「時事問題」の一つとして出題したのではないかと思います。

「そもそも領土問題は存在しないが」という個所を問題文に採用した出題者に見識の高さを感じました。
この問題は、迷いましたが難易度Cとしました。

 

地理は勉強方法が非常に難しい分野です。まず、塾教材「マイクリア」や基礎事項をまとめたページを暗記して、標準的な一問一答に完全にこたえられるようになるのが基本です。

80点以上を目指すなら、その後教科書の本文を一文一文読んで確認していくとよいでしょう。その際、声に出して音読することが、時間効率を非常に良くすると考えます。

今回も、難易度の高い問題は、日頃あまり出題されないページの「黒の太文字」を書かせられる。
写真や資料の掲載された大きさに比例して出題回数が多いなど、実力テスト・基礎学力テストの出題傾向は当てはまっているように感じました

基礎学・入試で90点以上を目標とするならば、基本の暗記事項と教科書内容を勉強した後は、最近の公立高校の入試問題を数多く解いて勉強することが最も効率的だと思います。

 

 

塾生の基礎学3回の「社会」の点数としては

95点 94点 89点 89点

88点 86点 85点

の7名が85点以上です。

90点以上の人数が減ったのは残念でしたが

全体としては、よく頑張ったのではないでしょうか。

衣笠

 

(この後「歴史」に続きます)

 

 

碩学ゼミナール塾長・衣笠 経歴
城西中学・城北高校・立命館大学経済学部卒 / 保険毎日新聞に記者として入社 / 帰省後、県内大手進学塾にて本部長・教務部長・校舎長、香川7校舎統括責任者。家族(嫁、長女、長男、母)をこよなく愛する。毎日一人ひとり全員とあいさつをした後、父のお仏壇に手を合わせるのが日課。趣味は読書と野球観戦。好きな食べ物は辛口カレーライス。元認定教育コーチ・青少年育成協会元研究員・子育てに関しての母親セミナーも手がける。